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2001-09-13 | 東京上映/アジア千波万波

アジアからゲストを呼ぶのは、ビザの取得が難しい国もあり、意外にめんどうです。せっかく来日した「アジア千波万波」の監督たちが、映画祭の後、成田空港に直帰してしまうのを惜しみ、今回は東京でも小規模な上映・トーク企画が実現しました。映画祭直後の東京でも、ダイナミックに映像表現の新しさを目指すアジアの若手作家たちに再会できます! 本祭でみのがした一本、話を聞きそびれた監督に触れるチャンスです。

(「アジア千波万波」コーディネーター 藤岡朝子)


〈Part I Korean Girls in UPLINK FACTORY〉

韓国は今、女性監督ブーム! 動物園の子トラを通して考える人間と野性の未来、小人症の姉妹が結婚の夢を追う、慶尚南道の3代の女性たち、そして韓国移民の両親をもつオーストラリア人の二重アイデンティティ…。多様なテーマの中から韓国現代社会が浮かぶ。さらには、女性監督ブームの背景や、在外コリアンの表現の世界を探るトークショーなど、盛りだくさん企画です。

会場:渋谷アップリンク・ファクトリーにて
会期:10月10日(水)-13日(土)
助成:国際交流基金、日韓国民交流年草の根文化事業助成


『姫ころがし』監督:寺嶋真里(日本/35分)
『パンジーと蔦』監督:ケ・ウンギョン(韓国/60分)


『別れ』監督:ファン・ユン(韓国/83分)


『居留―南の女』監督:ソハ(韓国/75分)


『Keeping the Vision Alive 〜韓国映画界の女性たち〜』監督:イム・スンリェ(韓国/48分)
女性監督ブームに沸く韓国の映画産業だが、今まで女性はどういう役割を担ってきたのだろう? 『JSA』や『反則王』など今の映画界を代表する女性プロデューサーらのインタビューを交え、過去から現在を検証する。
●トーク1「韓国女性の映像製作ブーム」(日本語通訳つき)
 ソハ(『居留―南の女』監督)
 ケ・ウンギョン(『パンジーと蔦』監督)
 斎藤綾子(明治学院大学講師)


『夢の中で』監督:メリッサ・リー(オーストラリア/26分)
『愛についての実話』監督:メリッサ・リー(オーストラリア/27分)


『ていちゃんのルーツ』監督:田中見和(日本/14分)
●トーク2「在外コリアンと映画づくり」(日本語通訳つき)
 メリッサ・リー(『夢の中で』『愛についての実話』監督)
 松江哲明(『あんにょんキムチ』監督)
日本に限らず民族アイデンティティは表現の主題となり続けてきた。若い世代にとっての映画づくりと民族を問い返す。
 

〈Part II Asian Boys in UPLINK FACTORY〉

ゲイ・テイストのアジアン・ドキュメンタリーがこんなに楽しいとは! インドのムキムキ・レスラー、へたなポップスを歌うバングラデシュの少年、あやしいマニラの夜をドライブする男。今回の「アジア千波万波」には今までにない艶気が…。前回の山形映画祭で小川紳介賞を受賞した『ハイウェイで泳ぐ』や観客人気ナンバーワンの『エキゾチック概論』などの傑作もアンコール上映。

会場:渋谷アップリンク・ファクトリーにて
会期:10月14日(日)-19日(金)


『エキゾチック概論』監督:マイケル・シャオワナサイ (タイ/7分)
『美麗少年』監督:陳俊志(ミッキー・チェン)(台湾/63分)


『マージナル』監督:パオロ・ヴィリヤルーナ (フィリピン/16mm/20分)*日本語字幕なし
『パフォーマンス』監督:ラーフル・ローイ(インド/51分)


『僕たち』監督:マンザーレ・ハセィン(バングラデシュ/42分)
『ハイウェイで泳ぐ』監督:呉耀東(ウー・ヤオドン)(台湾/49分)

)
『夢の王』監督:アマル・カンワル(インド/30分)
『友人、スー』監督:ニラージ・バシン(インド/55分)

 


〈Part III 中国と台湾のドキュメンタリー、20代の模索〉

社会正義をかざす記録映画から、個人の表現手段へ…。DVを使ったドキュメンタリー製作がまっさかりの中国から、線路沿いに住むホームレスの少年、自分がかつていた人民武装警察部隊の若い兵士、不仲な自分の両親を被写体に、伸びやかに現代を映す20代の個人作家たちがいる。台湾からはトヨタ車のしがないセールスマンの公私にわたる生活をユーモラスに捉える『セールス』。2回のトークショーでは、中・台それぞれの製作事情と作品論バトルが繰り広げられる。

会場:アテネ・フランセ文化センターにて
会期:10月12日(金)-13日(土)

上映A
『線路沿い』 監督:杜海濱(ドゥ・ハイビン) (中国/125分)

上映B
『サイレント・デルタ』 監督:沈可尚(シェン・コシャン)(台湾/20分)*日本語字幕なし
『不幸せなのは一方だけじゃない』 監督:王芬(ワン・フェン)(中国/45分)

上映C
『この冬』 監督:仲華(チョン・ホァ)(中国/90分)

上映D
『南之島、男之島』 監督:李孟哲(リー・モンジャー)(台湾/17分)*日本語字幕なし
『セールス』 監督:曾吉賢(ツェン・ジーシェン)(台湾/58分)

トークイベント
●トーク(1)「中国で今、ドキュメンタリーを作る」
テーマの探し方、撮影許可の問題、機材や検閲の問題、上映の方法など、今、中国の作家が直面する諸問題について、『線路沿い』の杜海濱と『不幸せなのは一方だけじゃない』の王芬がディスカッション。日本語通訳つき。

●トーク(2)「中国・台湾、20代の模索」
『この冬』の仲華(中国)と『セールス』の曾吉賢(台湾)が、日本の土屋豊(『新しい神様』監督)と、互いの作品を論評しあいながら、共通点や違いを語る。日本語通訳つき。
 

[お問い合わせ]
山形国際ドキュメンタリー映画祭 東京事務局
phone: 03-5362-0672 fax: 03-5362-0670
e-mail: mail@tokyo.yidff.jp
URL: www.yidff.jp/

[会場]
アップリンク・ファクトリー
東京都渋谷区神南1−8−17横山ビル5F
phone: 03-5489-0750
URL: www.uplink.co.jp

アテネ・フランセ文化センター
東京都千代田区神田駿河台2−11アテネ・フランセ4F
phone: 03-3291-4339(13:00-20:00)
URL: www.athenee.net