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ニュー・ドックス・ジャパン



 本年のニュー・ドックス・ジャパンでは、前回よりも本数を増やし、海外の国際映画祭話題作や、〈いまの日本〉に想いを巡らす新作を9本上映する。日本の足音、変わる/変わらない場所を現在進行形で迫る作品から、ジャーナリズム、私映画(パーソナル・ドキュメンタリー)、映像美やリアルさを追求したものまで、様々なテーマやスタイル、個性的な主人公たちや場所が集まった。また作品を広めて行く手段も多様になってきている。公開と同時にDVDを発売したり、書籍と連動させて情報の浸透をはかる。ビデオの上映/トークと同時進行で映画を作っていく。また個人やグループで企画された自主上映会が、大都市のみならず、全国各地で盛んに行われ、英語版は世界へ旅立って行く。それぞれの映像/テーマを広めていく過程で、社会に問題提起をしていく、まさに実践するドキュメンタリーなのかもしれない。戦後60年という歴史の節目を迎えているが、その思考を拓くような日本ドキュメンタリーの可能性に期待したい。

濱治佳・若井真木子