english
映画祭2003情報

インターナショナル・コンペティション 審査員のご紹介


 今回応募された902作品の中から予備選考を経て上映される15作品の中より、ロバート&フランシス・フラハティ賞などを決定する5名の審査員をご紹介します。


アラン・ベルガラ(フランス、映画批評家、監督)

映画批評家として1978−1988年まで『カイエ・デュ・シネマ』の編集に携わり、その後パリ第三大学で教鞭をとりながら、映画監督としても製作し続けている。編書に『Roberto Rossellini. Le Cinema revele』(編集)、『ゴダール全評論・全発言』(編集)、『Nul mieux que Godard』。映画に『逃げ口上』(ジャン=ピエール・リモザンと共同監督、1983)、『Ou que tu sois』(1987)の他、映画作家や芸術に関する多くのドキュメンタリーを発表している。

作品上映:
パゾリーニの小さな花
フランス/1997/フランス語、イタリア語/ビデオ/53分
フランスのTV局による映像作家シリーズのひとつとして製作。

クリスティン・チョイ(アメリカ、監督)

上海生まれ。1967年に渡米。50作品以上製作または監督している。ニューヨーク大学にて教授。イェール大学、コーネル大学、ニューヨーク州立大学バッファロー校でも教鞭をとった。オスカー賞候補も含め、国際的に60以上の受賞歴がある。代表作は『Mississippi Triangle』(1982−83)、『誰がビンセント・チンを殺したか?』(1991)、『天皇の名のもとに』(1995)、『世界に轟いた銃声』(1996−97)、『Ha Ha 上海』(2001)。

作品上映:
雀の村
アメリカ/2003/英語、北京語、苗語/ビデオ/27分
中国の南西部の苗族の住む山村の少女たちを追う。

誰がビンセント・チンを殺したか?
アメリカ/1988/英語、中国語/16mm/84分
1982年、日本企業進出による不況下のデトロイトで中国系アメリカ人、ビンセント・チンが撲殺されたが犯人は軽い量刑、この事件の本質に迫る。

アミール・ナデリ(イラン、アメリカ在住、監督)

1945年、イランのペルシャ湾岸の都市アバダンに生まれる。スチール・カメラマン、映写技師、助監督などを経験した後、『Khoda Hafez Rafig (Good Bye Friend) 』(1971)で映画監督デビュー。『ハーモニカ』(1974)はイスラム革命前のイラン映画の傑作の一つとして知られている。『駆ける少年』(1986)、『水、風、砂』(1989)で2作連続してナント三大陸映画祭グランプリを受賞し、イランを代表する映画作家としてその名を世界にとどろかせる。その後アメリカに移住し、1993年に念願のアメリカ映画『マンハッタン・バイ・ナンバーズ』を監督、同作品はヴェネチア映画祭で上映され、日本でも劇場公開された。現在もニューヨークをベースに活躍している。最新作は『マラソン』(2002)。

作品上映:
マラソン
アメリカ/2002/英語/ビデオ/74分
クロスワード・マラソンを必死に続ける女性を追って、地下鉄、バス、街角等、 ニューヨークの風景がめくるめくように展開する。

アナンド・パトワルダン(インド、監督)

1950年生まれ。1970年、ボンベイ大学で英文学の学士号、1972年(米国)ブランダイス大学で社会学の学士号を取得。1982年(カナダ)マギル大学でコミュニケーションの修士号取得。主な作品に、カナダでインド系移民の農場労働者が団結する様子を描いた『A Time to Rise』(1981)、スラム居住者についての『Bombay Our City』(1985)、パンジャブでの共同体再結成による調和を描いた『In Memory of Friends』(1990)、ヒンドゥー原理主義の高揚を題材とした『神の名のもとに』(1992、YIDFF '93にて上映、市民賞受賞)、家父長制にルーツを辿るインドでの暴力を描いた『父、息子、聖なる戦い』(1994、YIDFF '95にて上映、特別賞受賞)がある。『ナルマダ・ダムの5年』(1996)、『戦争と平和 ― 非暴力から問う核ナショナリズム』(2001)はいずれも地球環境映像祭にて上映、アース・ビジョン大賞を受賞。

作品上映:
戦争と平和 ― 非暴力から問う核ナショナリズム
インド/2002/ヒンディー語、英語、日本語/ビデオ/166分
エスカレートする一方のインド、パキスタンの核開発と宗教紛争を中心に、被爆国日本やアメリカにまで取材を敢行、スケール大きく現代を問う。

高嶺剛(日本、監督)

1948年、沖縄石垣島川平生まれ。高校卒業まで那覇で過ごしたあと、国費交換留学生として京都教育大学に入学。その頃から8mm映画を撮り始める。1974年日本復帰前後の沖縄の風景を凝視した『オキナワン ドリーム ショー』でデビュー。その後も一貫して沖縄を撮り続ける。1985年『パラダイスビュー』は初の劇映画。1989年『ウンタマギルー』でベルリン国際映画祭カリガリ賞など内外で多数受賞。1998年に『夢幻琉球・つるヘンリー』を発表。現在、専門学校や大学にて非常勤講師をしながら、劇映画『変魚路』を準備中。

作品上映:
ウンタマギルー
日本/1989/沖縄語、日本語、英語/35mm/120分
本土復帰直前の沖縄を舞台に、豚の化身マレーとの交情を果たした主人公のギルーと、マレーを慈しみ育てる西原親方との確執を軸に、沖縄が潜ろうとする時代と夢の在り処を探る。

他、今回の沖縄特集の中で高嶺剛特集を行い、ほとんどの監督作品を上映します。

映画祭2003情報審査員コメントインターナショナル・コンペティション | アジア千波万波 | 沖縄特集 | ヤマガタ・ニューズリール! | ニュー・ドックス・ジャパン | その他企画 | 第18回国民文化祭・やまがた2003 ドキュメンタリー映画フェスティバルスケジュール会場地図 | チケット | 宿泊情報 | Q&A