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貸出作品リスト:YIDFF 2019


十字架』『インディアナ州モンロヴィア』『別離』『ラ・カチャダ』『約束の地で
光に生きる ― ロビー・ミューラー』『自画像:47KMの窓』『トランスニストラ』『ユキコ
アジア千波万波:消された存在、__立ち上る不在』『ハルコ村』『気高く、我が道を
1931年、タユグの灰と亡霊』『そして私は歩く』『山の医療団』『愛を超えて、思いを胸に
駆け込み小屋』『見えない役者たち』『ノー・データ・プラン』『私の家は眠りの中に
アジア千波万波(短編):夏が語ること』『海辺の王国で』『非正規家族』『ここへ来た道』『ソウルの冬
アジア千波万波 特別招待作品:自画像:47KMのスフィンクス
ともにある Cinema with Us 2019:故郷はどこに』『台湾マンボ』『子どもたちへの手紙』『帰郷

※監督の下段のデータは、製作国/製作年/使用言語/色/フィルム種別(35mmの場合のスクリーンサイズ)またはビデオ(ビデオフォーマット)/上映時間/字幕

YIDFF 2019 インターナショナル・コンペティション出品作品


- 十字架

The Crosses (2019 山形市長賞)
監督:テレサ・アレドンド、カルロス・バスケス・メンデス
チリ/2018/スペイン語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/80分/日本語・英語字幕あり

チリ南部の小さな町で起きた製紙会社組合員大量殺人事件。軍事クーデターから数日後の1973年9月、19人の工場労働者が警察に連行され、6年後、遺体となって発見された。解決に至らない事件はそのまま闇に葬られるかに見えたが、40年後、事件への関与を否定していた警察官のひとりがその証言を覆した時、製紙会社側と独裁政権の思惑が明らかになる。いまだ「死」がそこかしこに漂う閑静な町の姿と、殺害現場に立てられた夥しい数の十字架が声にならない叫びを上げ、国家が手引きした虐殺の歴史を告発する。

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- インディアナ州モンロヴィア

Monrovia, Indiana (2019 審査員特別賞)
監督:フレデリック・ワイズマン
アメリカ/2018/英語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/143分/日本語字幕あり

2016年のアメリカ大統領選の結果を受けて、フレデリック・ワイズマンはインディアナ州の農業の町モンロヴィアを題材に選んだ。牧歌的な農場の風景からはじまって、フリーメーソンのロッジからライオンズクラブ、高校、教会、銃砲店などを細やかに観察しながら、ワイズマンは昔ながらの価値観、生活様式を護り続ける“善きアメリカ人”の姿を浮かび上がらせる。町で起きた出来事、会合、催事を軽やかにスケッチすることで、町という社会の全体像が見えてくる。アメリカを左右するほどの影響力を持つ人々の実像がここにはある。

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- 別離

Absence
監督:エクタ・ミッタル
インド/2018/ヒンディー語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/80分/日本語・英語字幕あり

インド郊外の農村では移住労働者として都市部に出かけ、そのまま消息を絶ってしまう男たちが少なからずいるという。残された妻や母は行方不明者の面影を求めて尽きない思いを廻らせる。パンジャーブ語の近代詩に着想を得た本作は、原題Birha(別離による悲しみの意)が示すように、愛する誰かが今ここにいないということについての映画であり、あらゆる不在のイメージが重層的に描かれる。最下層に生きる人々が貧困から逃れることができない限り、女たちの悲嘆もまた深い霧のように決して晴れることはない。幻想的な空間の中でインドの過酷な現実が浮かび上がる。

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- ラ・カチャダ

Cachada--The Opportunity
監督:マレン・ビニャヨ
エルサルバドル/2019/スペイン語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/81分/日本語・英語字幕あり

エルサルバドルの露店で生活の糧を得るシングルマザー5人が演劇のワークショップに参加し、講師とともに劇団ラ・カチャダを立ち上げる。リハーサルを繰り返すうちに、次第に自分たちの生活、状況に向き合うことになる。それは社会全体が許容している、女性に対する不当な暴力のサイクルだった。哀しみを肥った肉体に秘めて、陽気にふるまう彼女たちは、植え付けられたトラウマを乗り越えることができるのか。彼女たちに1年半密着して、その魅力を映像に焼きつけたマレン・ビニャヨにとっては初の長編監督作品となる。

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-約束の地で

In Our Paradise
監督:クローディア・マルシャル
フランス/2019/ボスニア語、フランス語、ドイツ語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/77分/日本語・英語字幕あり

14年前に故郷ボスニアを離れフランス東部で家族とともに暮らすメディナ。その姉妹インディラは彼女を頼って移住を試みるも、ドイツで難民拒否の現実に直面し帰国を余儀なくされる。このふたりの女性とその子どもたちが思い描く未来には、いくつもの透明な壁が障害となって立ちはだかりその実現を阻もうとする。排外主義の高まりのなかでますます居場所を失っていく人びとの横顔と、救いの手を求めて発される言葉の声を、映画はきわめてドラマティックに捉えることに成功している。

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- 光に生きる ― ロビー・ミューラー

Living the Light--Robby Müller
監督:クレア・パイマン
オランダ/2018/英語、オランダ語、ドイツ語、フランス語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/86分/日本語・英語字幕あり

ヴィム・ヴェンダースやジム・ジャームッシュの映画のカメラマンとして知られるロビー・ミューラー(1940−2018)の生涯とその仕事を辿る。『都会のアリス』や『ダウン・バイ・ロー』などの名高いショットの回顧とともに、本作はミューラーが家庭用ビデオやポラロイドカメラなどで撮影していたプライヴェートな映像を掘り起こす。家族との時間や滞在したホテルといった日常の中の光景を捉えたそのまなざしが、彼の人生と映画が地続きだったことを語ってくれる。誰もが簡単に映像を撮影できる時代にこそ観られるべき映画である。

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- 自画像:47KMの窓

Self-Portrait: Window in 47 KM
監督:章梦奇(ジャン・モンチー)
中国/2019/中国語(湖北方言)/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/110分/日本語・英語字幕あり

監督が長期間にわたって撮影を続ける中国山間部の小さな村。谷を見下ろす小屋の壁には、年月を経て掠れた「○○主義が中国を救う」の文字。監督はひとりの少女にその○○部分についての考えを問い、少女は「戦争もしてないのに、国を救う必要なんてあるの?」と問い返す。ある老人は85年に及ぶ自らの半生を語り、一方少女は村の老人たちの似顔絵を描き続ける。この映画が記録するのは、老人たちとともにやがて消えていく記憶、風景の痕跡として残る歴史や経済的衰退だけではない。この小さな村は、厳しい冬の終わりに文字通り鮮やかな色彩に染まる。『自画像:47KMに生まれて(YIDFF 2017 アジア千波万波)、『自画像:47KMのスフィンクス(YIDFF 2019 アジア千波万波 特別招待作品)の章梦奇監督作品。

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- トランスニストラ

Transnistra
監督:アンナ・イボーン
スウェーデン、デンマーク、ベルギー/2019/ロシア語、ルーマニア語、ウクライナ語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/96分/日本語・英語字幕あり

ウクライナとモルドバの境界にあって、1990年に独立を宣言した小国トランスニストリア。ひと夏の時を川辺や森、ビルの廃墟で過ごす17歳のタニアと彼女をめぐる5人の男の子たち。恋と友情の危ういバランスの上のつかの間の光の輝きを、16ミリカメラが記録する。夏から秋、そして冬へと移ろいゆく季節のなか、未来への不安と故郷の自然の心地よさの間で、若者たちの感情生活は揺れ動く。生きるためには、出稼ぎか、兵士になるか、さもなければ犯罪者になるしかない。過酷な現実を前に、無限とも見える青春の時間が空に吸い込まれていく。

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- ユキコ

Yukiko
監督:ノ・ヨンソン
フランス/2018/韓国語、日本語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/70分/日本語・英語字幕あり

フランス在住の監督、生まれ育った朝鮮で暮らす母、戦時中に朝鮮人の恋人を追って日本からソウルにやってきた祖母。朝鮮戦争の渦中に生き別れ、母の記憶に残っていない祖母のことを仮に「ユキコ」と呼び、互いに薄い関わりしか持たない三人の女性像を親密に紡ぐ。母が独りで住む江華島、ユキコが人生最期の地に選んだ沖縄で、母のシルエット、日常風景、老人ホーム、摩文仁の丘が、繊細なカメラワークで重ね合わされる。ふたつの島で架空の物語が静かに交わり、「記憶にない者を悼むことができるのか」という普遍的な問いは、戦争の記憶を継承するという行為へと昇華していく。

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YIDFF 2019 アジア千波万波出品作品


-消された存在、__立ち上る不在

Erased,___Ascent of the Invisible (2019 小川紳介賞)
監督:ガッサーン・ハルワーニ
レバノン/2018/アラビア語、英語/カラー、モノクロ/ビデオ(ブルーレイディスク)/76分/日本語・英語字幕あり

行方不明者の顔写真、死亡扱いにされない住民票、埋め立てられた集団墓地……。真実究明の動きに忖度が加えられ、犯罪の実態が上塗りされる行為に抗うかのように、幾重にもポスターが貼られた街中の壁をカッターでめくり、行方不明者を掘り起こす年前、レバノン内戦時に誘拐されたある男の面影を手掛かりに、内戦後は名もない死者として片付けられてしまった多数の行方不明者という不在の個を掬い、ドローイングによってアニマを吹き込む。

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-ハルコ村

Xalko (2019 奨励賞)
監督:サミ・メルメール、ヒンドゥ・ベンシュクロン
カナダ/2018/クルド語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/100分/日本語・英語字幕あり

監督の故郷アナトリアのクルドの村の男たちは、欧州で働き生活している。家を守る女たちは、十分な仕送りができなかったり、音信不通になったりしながらも、彼らの身を案じる。仕事の傍ら、楽ではない村の生活の愚痴を言いながら、常に話題に上るのは、やはり出稼ぎ中の父や夫のこと。そこへ監督の叔父が7年ぶりに、妻と成長した娘の元に一時帰国を果たし……。ハレの日の結婚式、あれこれ話す女たちの日常の裏には、大家族の喜怒哀楽が詰まっている。

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-気高く、我が道を

Gracefully (2019 日本映画監督協会賞)
監督:アラシュ・エスハギ
イラン/2019/ペルシャ語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/64分/日本語・英語字幕あり

牛を飼い、田植えをしながら田舎暮らしをしている80歳の男性。農作業を終えると念入りに化粧し、女装してダンスを始める。ライブ演奏の巡業やキャバレーでミュージシャン仲間と踊っていたが、革命後は踊ることが厳しくなった。別々に暮らす息子たちは理解し応援してくれるが、二人暮らしの妻には呆れられている。革命前の華やかな思い出を胸に、結婚パーティーや慰問先の病院で踊るのが生きがい。牛舎では牛を愛でながら、ひとり嬉々として踊る。

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- 1931年、タユグの灰と亡霊

The Ashes and Ghosts of Tayug 1931
監督:クリストファー・ゴズム
フィリピン/2017/パンガシナン語、イロカノ語/モノクロ/ビデオ(ブルーレイディスク)/115分

ルソン島パンガシナン州の町、タユグ。1931年、若きペドロ・カロサは搾取に苦しむ小作農のために立ち上がり、挫折した。現代に残るかすかな痕跡をたどり映像作家がその地を訪れるとき、ハワイから帰国し指導者へと成長する青年の姿、世を憂いつつ余生を送る老人の姿が残像のように立ち現れる。サイレント、フィクション、ドキュメンタリー、異なる時代と異なる映像表現が交錯し、忘れられた英雄の亡霊がモノクロームの映像に織り込まれてゆく。

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-そして私は歩く

At Home Walking
監督:ラジューラ・シャー
インド/2019/ヒンディー語、マラーティー語/ カラー、モノクロ/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/114分

インド・デカン高原の遊牧民や巡礼者たちを捉えた映像に、吟遊詩人の音楽と、詩的なモノローグが流れる。歩く人々の足元が繰り返し挿入される、流れるような映像は、歩くことは瞑想であると観客に気づかせる。モノローグでは、自由を求め、そして生きることの真髄を捉えようと試みるインド詩人らの言葉が多く引用され、時間を超越した豊かな世界が描かれる。瞑想から覚めた時、作品も終わる。心の旅を映像化した実験的作品。

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-山の医療団

Beyond the Salween River
監督:ジジ・ベラルディ
ビルマ、ヴェトナム、タイ/2019/カレン語、ビルマ語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/65分/日本語・英語字幕あり

紛争で孤立した少数民族の居住地域に医療を届けるプロジェクト・チーム「バックパック・メディックス」。医師たちは、ジャングルを突き進み、野営しながら紛争地を越えて医療物資を運ぶ。一方、ベースキャンプでは、村の若者たちが医学知識や応急処置の技術を身につけようとしている。少数民族が自ら学び、行動し、命を守り、紡ぐ。まだ幼い顔をした若者たちも、学んだことを背負い旅立ってゆく。

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-愛を超えて、思いを胸に

A Feeling Greater Than Love
監督:マリー・ジルマーノス・サーバ
レバノン/2017/アラビア語/カラー、モノクロ/ビデオ(ブルーレイディスク)/93分/日本語・英語字幕あり

1975年の内戦以後の中東の歴史に埋もれてしまった、70年代初頭のレバノンの工場労働者やタバコ農家らによるスト、労働/政治運動。大きな社会変革のうねりの渦中にいた当時の若い男女の活動家らが集まり、異論反論入り混ざり、生き生きと回想する。民衆蜂起と内戦前夜を暗示するクリスティヤーン・カーズィーの作品、その時代が写り込んでいる『赤軍 ― PFLP 世界戦争宣言』など多彩なフッテージも引きながら、民衆革命を掘り起こし、息を吹き込む。

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-駆け込み小屋

Hut
監督:蘇育賢(スー・ユーシェン)
台湾/2018/インドネシア語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/54分

台湾の某所にある、廃材で作られた粗末な小屋。インドネシア人労働者がやってきては自己紹介をし、過酷な労働環境やこの小屋へと逃げ込んだ経緯など、車座になって互いに話を聞く。話が終わらないうちに、ひとり、またひとりとやってくる労働者。いつしか小屋は人で溢れ、対話は通過する飛行機の音をBGMに渦を巻き、拍手、乾杯、泣き声が弾け、爆発寸前に……。多様な背景を持つ出稼ぎ労働者のワークショップから生まれた作品。

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-見えない役者たち

Invisible Actors
監督:チェ・ヒョンシク
韓国/2018/韓国語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/122分

ゾンビ役の練習をする4人の役者。演技と生活が融解する彼女たちの意識をはがすように、「国家と個人について」をテーマに、自らドキュメンタリー演劇を創作する。その設定された日常世界という舞台、その過程にある女性演劇人や労働者意識、やりがい搾取についての議論、さらには演技する日常という枠組みを取り込みながら、本作の監督が彼女たちとで、同時にひとつの映画を作る試み。さて、演劇と映画はどう実現していくのだろうか。

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-ノー・データ・プラン

No Data Plan
監督:ミコ・レベレザ
フィリピン、アメリカ/2018/英語、タガログ語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/70分/日本語・英語字幕あり

「母さんは2つの電話を使っている」。母親を中心とした家族の物語を伏線に、複数のアメリカの声がかぶさっていく。監督の家族がいるカリフォルニアからNY の大学へ戻る間の列車に揺られながら、物理的でないどこかへ進む映画という旅。ID提示やICE(移民・関税執行局)に見つかることの恐れがつきまとう存在であると同時に、列車から一時下車して休む時の風景や人々の姿から、監督の目に映る「そうではない」アメリカの断片を見せてくれる。

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-私の家は眠りの中に

This Is My Home, Come the Sleeping
監督:ハラマン・パプア
インドネシア/2019/インドネシア語/カラー、モノクロ/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/81分

生活の糧として定着しているクジの番号予想。ピウスおじさんもまた、毎日黙々とクジの番号を組み合わせるのが日課だ。そして、頻繁に起きる停電の合間だけ、数字を書く手を休め、ポツリポツリと自分自身のことを語る。平穏そうな生活の中には、今でも森が破壊され続ける現実、故郷の村を追われた惨劇の記憶とパプアの歴史がうっすらと漂っている。原題は、ピウスおじさんが、監督たちを家に招き入れる時に口にした言葉。

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YIDFF 2019 アジア千波万波出品作品(短編)

【こちらの作品の貸出料は10,000円です】


- 夏が語ること

And What Is the Summer Saying
監督:パヤル・カパーリヤー
インド/2018/マラーティー語/カラー、モノクロ/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/23分

男は父に教えられた道を通り、蜂蜜を採りに森に入る。むかし父から聞いたのは、村に虎が現れたという話。木々の葉をそよがせる風が、村のハンモックを揺らす。耳を澄ませば、女たちのささやきが聞こえる。静けさに耳を傾け、月明かりや、仄かな日の光に照らし出される風景を、色彩を抑えた繊細で緻密な映像で描き、夢の中にたたずむような豊かな時間を作り出している。

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-海辺の王国で

In Thy Kingdom by the Sea
監督:慶野優太郎
ポーランド、日本/2018/ポーランド語、英語/カラー、モノクロ/ビデオ(ブルーレイディスク※50Hz)/23分/日本語・英語字幕あり

列車で飛行機で車で一路飛ばして港へ。そこでは、フィリピンなど外国から出稼ぎに来ている船乗りたち、夫がほとんど海に出ている女性、親が漁師なので自分も漁師になると言う少年たち、海軍基地から出てくる兵士たち、学生たち、教会の神父と信者たち、墓地に参る人々等、海に関わる様々な人生が語られる。モノクロの詩的なリズムある映像に、港に生きる人々の世界が広がっていく。ポーランドで 映画を学んでいる若手日本作家による作品。

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-非正規家族

Temporary
監督:許慧如(シュウ・ホイルー)
台湾/2017/台湾語/カラー、モノクロ/ビデオ(ブルーレイディスク)/25分

低賃金で雇用が不安定な臨時工を続けてきている青年と、その両親くらいの年格好の女性と男性の3人が、廃墟になった工場跡で何やらしている。大きな木を持ち込んだり、落書きをペンキで消したり、清掃したり……。身の上話をしたり、休憩にはテーブルを作り、酒をのみ食事する。家族もどきの不思議な空間。1週間経って3人は去り、無人の廃墟に雨が降る。2003年に『雑菜記』でアジア千波万波奨励賞を受けた許慧如(シュウ・ホイルー)の新作。

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-ここへ来た道

Through the Border
監督:張齊育(テオ・チーユー)
シンガポール/2019/中国語(北京語、客家語)/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/29分

幼い頃に中国を離れ、シンガポールに渡って来た監督の祖父。やがてこの地で家庭を持ち、電器店を営むようになっても、故郷・西安に残した家族を忘れることはなかった。がんが見つかり余命6ヶ月を宣告されたいま、朝が来れば店を開く生活のリズムを繰り返しながら、穏やかに最期の時を迎えようとしている。孫娘の持つカメラは、口数の少ない祖父の望郷の想いを優しくすくい上げ、〈この家〉の奥に眠る〈もう一つの家〉の記憶の扉を開く。

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-ソウルの冬

Winter in Seoul
監督:ソン・グヨン
韓国/2018/韓国語/モノクロ/ビデオ(ブルーレイディスク)/25分

ホテルの一室で執筆をする青年。外では寒いソウルの街を人々が行き交う、ある一晩。寡黙な謎の青年についてのナレーションであるかのように、女性の声が言葉を繰り出す。内容を掴み取ろうとすると、するりと抜けるようなリズミカルな言葉の流れは、夜のネオンや屋台、青年の動きと人々の吐く白い息と合わさって、ランダム性というリズムをやがて刻み出す。

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YIDFF 2019 アジア千波万波 特別招待作品


- 自画像:47KMのスフィンクス

Self-Portrait: Sphinx in 47 KM
監督:章梦奇(ジャン・モンチー)
中国/2019/中国語(湖北方言)/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/94分/日本語・英語字幕あり

故郷の村を撮るシリーズ7作目。「○○主義だけが中国を救う」と壁に書かれた村の建物の入口に腰掛け、訥々と亡くなった息子のことや悲しみの半生を語る老女、絵を描く少女……。静かな村に流れる親密な時間が心に沁みる。『自画像:47KMに生まれて(YIDFF 2017 アジア千波万波)、『自画像:47KMの窓(YIDFF 2019 インターナショナル・コンペティション)の章梦奇監督作品。

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ともにある Cinema with Us 2017


故郷はどこに

Out of Place
監督:許慧如(シュウ・ホイルー)
台湾/2012/中国語、台湾語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/78分/日本語・英語字幕あり

一家のルーツが台湾原住民の平埔(ピンプー)族であるかもしれない監督の夫とその家族。その可能性を探り、自らの民族的アイデンティティについて思いをめぐらす。一方、台風によって大きな被害を受けた被災地・小林(シャオリン)村では、その平埔族の文化の継承が危機に瀕している。「故郷」の探究と喪失をめぐる思索の旅路。

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台湾マンボ

Formosa Dream, Disrupted
監督:黄淑梅(ホアン・シューメイ)
台湾/2007/中国語、台湾語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/145分

台湾 921 大地震とそれに伴って発生した大規模な地滑り・土石流により、壊滅的な被害を受けた南投県中寮郷。清水(チンシュイ)村に隣接する12の被災世帯は、山に近い別の土地を借り、一刻も早い家屋の再建を望むが、 郡政府の頑迷な官僚主義と規制に阻まれ続ける。監督は彼らの長く苦しい闘いに同伴し、被災者救済に対する政府の硬直的な姿勢を浮き彫りにしていく。YIDFF 2005「大歩向前走 ― 台湾『全景』の試み」にて前作『中寮での出会い』(2005)を上映。

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子どもたちへの手紙

A Letter to Future Children
監督:黄淑梅(ホアン・シューメイ)
台湾/2015/中国語、台湾語、日本語、ルカイ語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/96分

1999年の921大地震の被災地を撮影していたとき、監督は深夜、地滑りに襲われる夢を見る。10年後、その悪夢はモーラコット台風によって現実のものとなった。そして過去の植民地時代より現在に至るまで、この美しい島の自然が為政者や人々によってどのようにぞんざいに扱われ、損なわれてきたかをたどり、その負の記録を未来の世代へと伝えていく。

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帰郷

Coming Home
監督:黄淑梅(ホアン・シューメイ)
台湾/2018/中国語、パイワン語/カラー/ビデオ(ブルーレイディスク)/99分

台風モーラコットによって壊滅的な被害を受けた南部・屏東(ピンドン)県の山岳地域。原住民族のルーツを持つ人々が、災害によって先祖伝来の土地が失われ、民族独自の伝統文化も消えてしまうという危機感から、自然豊かなその土地に戻り、子どもたちに言葉や伝統文化、生活の知恵、そして部族の魂を伝える教育活動を始める。

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