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2005-06-20 | せんだいメディアテーク「ドキュメンタリー:あの場所を生きる記憶」

 ひとつの場所を見つめ、その場所の変化と時間をともにしながら作られた、優れたドキュメンタリー映画を特集します。

せんだいメディアテーク
ドキュメンタリー:あの場所を生きる記憶

624日[金]
 16:00『DV2監督:フレデリック・ワイズマン/アメリカ/2002/英語/日本語字幕付/16mm/160分
アメリカの抱えている社会問題を題材に作品を作り続けるフレデリック・ワイズマン。前作の『DV ― ドメスティック・バイオレンス』(ドメスティック・バイオレンス=家庭内暴力)では被害者、加害者の他、カウンセラーや地元警察の活動をキャメラにおさめたが、今作では法定内でのやりとりを克明に記録。一切のナレーション、解説を排除し、家庭内暴力の実像に迫る。

 19:00『生命(いのち)― 希望の贈り物監督:呉乙峰(ウー・イフォン)/台湾/2003/北京語、台湾語/日本語・英語字幕付/ビデオ/148分
1999年9月21日、台湾で起きたマグニチュード7.3の大地震は死傷者、行方不明者2500人以上を出す大災害となった。震災直後、カメラを携え被災地へ向かった監督は、友人と交わす手紙のやりとりを軸に4年間の撮影を敢行。地震によって肉親を失った家族の悲しみを、年老いて今は施設で暮らす監督の実父との関係とともに描いてく。2003年山形国際ドキュメンタリー映画祭優秀賞作品。 『生命(いのち)― 希望の贈り物』公式Webサイト

625日[土]
 11:00『鉄西区監督:王兵(ワン・ビン)/中国/2003/中国語/日本語・英語字幕付/ビデオ/545分
(第1部:工場 240分、第2部:街 175分、第3部:鉄路 130分)※途中に休憩があります
「工場」「街」「鉄路」という三部構成で描かれた9時間におよぶ長編作品。日本占領中に設立され、後に人口の多い工業地域に変貌していった中国東北部瀋陽にある鉄西区が舞台であり、中国の一時代とそこに生きる人々を見守るように描き出している。2003年山形国際ドキュメンタリー映画祭ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)作品。

626日[
 12:00『阿賀に生きる監督:佐藤真/日本/1992/日本語/日本語字幕付/16mm/115分
新潟水俣病で知られた阿賀野川のほとりに住む人々の生活を、監督をはじめとする7人のスタッフが約3年の歳月を共に暮らしながら描き出した。農業や漁業を営み川とともに生きてきた彼らの生活をみつめながら、自然を壊してきたものの残酷さを静かに訴えかける。1993年山形国際ドキュメンタリー映画祭優秀賞作品。

 15:00『阿賀の記憶監督:佐藤真/日本/2004/日本語/英語字幕付/16mm/55分
『阿賀に生きる』から10年。カメラマンの小林茂をはじめ、かつてのスタッフが勢揃いし撮影はスタート。阿賀野川の自然を再びとらえていくなかで直面する事実。撮影時に出会った人々の多くが鬼籍に入り、かつての田んぼは荒地となっていたのだった。しかし、『阿賀に生きる』を撮影した当時の膨大なフィルムも加えられ、2年後に『阿賀の記憶』は完成した。

『阿賀の記憶』上映後に佐藤真監督によるトークがあります。(託児あり)

佐藤真(さとう・まこと)監督プロフィール
1957年生まれ。大学在学中より水俣病の運動に関わり、卒業後『無辜なる海 ―1982・水俣―』(香取直孝監督/1982年)の製作に助監督として参加。1989年にスタッフ7人と新潟に移り住み『阿賀に生きる』の制作に着手、1992年完成。その他の作品に、『まひるのほし』(1998年)、『SELF AND OTHERS』(2000年)、『花子』(2001年)、『阿賀の記憶』(2004年)、最新作『OUT OF PLACE』がある。

 18:00『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち監督:リティー・パニュ/フランス/2002/カンボジア語/日本語・英語字幕付/ビデオ/101分
かつての政治犯収容所「S21」。クメール・ルージュの大虐殺による加害者と被害者をその場に集め、非人間的で過酷な日々を再現していく。証言で明らかになる真実の数々、対峙する二人のやりとりの迫真性が25年という時を越える。カンボジア生まれである監督の、故国への想いが静かに脈打つ。2003年山形国際ドキュメンタリー映画祭優秀賞作品。

627日[月]
 13:00『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち
 16:00『生命(いのち)― 希望の贈り物
 19:00『DV2

628日[火]
 16:00『阿賀に生きる
 19:00『阿賀の記憶

[会場] せんだいメディアテーク 7F スタジオシアター(宮城県仙台市青葉区春日町2-1)
[料金]
1回につき一般1,000円、学生以下800円、5回券3,000円(前売・当日共通)。メディアテーク1F ナディッフビスにて販売中。豊齢手帳・障害者手帳等をお持ちの方は当日受付にて半額。各回入替制(定員180名)。
開場は上映の15分前を予定しています。やむを得ない事情により企画内容の変更、および、入場の制限をさせて頂く場合がありますのでご了承ください。
[託児について]
6月26日[日]『阿賀の記憶』の上映時に託児(1歳半から未就学児まで)を希望の方は、往復はがき又は電子メール、FAXに、住所、氏名、電話番号、お子様の氏名、年齢(月齢まで)、を記入のうえ6月16日[木](必着)までに「ドキュメンタリー メディアテーク託児担当」までお申込下さい。
[主催] せんだいメディアテーク
[共催] 山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会
[協力] 財団法人国際文化交流推進協会(エース・ジャパン)
[問い合わせ] phone: 022-713-3171(せんだいメディアテーク)

詳しくはこちらへ せんだいメディアテーク Webサイト