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    姉貴

    Sister
    姐姐

    - 中国、アメリカ/2007/中国語、英語/カラー/ビデオ/151分

    監督、脚本、編集、録音、製作:胡新宇(フー・シンユィ)
    撮影:胡新宇、ラインハード・スポール
    提供:胡新宇私人空間工作室

    暴力的な夫と別れて、アメリカへ渡り仕事でも活躍し、アメリカ人の夫とヴァージニア州に暮らす監督の姉。前夫との娘もやってきて始めた3人の新生活になぜか監督も同居して自分も含めた人間模様を据え置きカメラで撮り続ける。不安感を誘うカメラアングルがアメリカ郊外の大きな一戸建て、巨大スーパー、車社会という豊かさの象徴を捉えながら、いつも神経を尖らす姉の様子を挟み込み、どこか空っぽな家の風景が露呈する。弟であり叔父である監督が微妙な立場で介入を試み、閉塞感に包まれた中産階級アメリカの風景に風穴を作りながら、ひとつのアメリカ論を描ききる。



    - 【監督のことば】記録することと実生活と
    の間に不自然さのない状態を作りだそうとして、私は映画の神聖さと虚構性を放棄しようと試みた。正義あるいは不正義を宣伝する道具に自分がなるつもりはないが、私自身が撮影の現場に入っていくのは、その時その場にいてこそとらえられる必然的な人間関係を記録するためだ。災難を引き起こすのは、事物を探求することそのものが要因ではなく、答えを見つけだすために用いてしまう強引な判断によるものだと私は思う。


    - 胡新宇(フー・シンユィ)

    1969年生まれ。インディペンデントの映像作家。1989年、中国山西省太原市山西大学音楽学部に入学。1993年より太原師範学院音楽学科にて教鞭を執り現在に至る。2001年、デジタルビデオ映画『過渡』の製作に着手するが途中で断念。その後、2001年末に撮影し完成させた初の長編ドキュメンタリー作品『男人』はオランダのシャドウ・フェスティバル、フランスのレゼクラン・ドキュメンタリーズ、中国の雲之南記録映像論壇、当代中国ドキュメンタリー映画ビエンナーレで上映された。『姉貴』は2作目の長編ドキュメンタリー。