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    ゴールデン・ダンス

    Golden Dances
    Raghs haye talayee

    - イラン/2006/ペルシャ語/カラー、モノクロ/ビデオ/26分

    監督、編集、ナレーター:アリ・カランタリー
    脚本:ババク・カズライー、アリ・カランタリー
    撮影:アリレザ・ファカリザーデ
    録音:アラシュ・ガセミー
    助監督:ビター・ラザヴィー
    製作:オミード・アラディニー
    製作会社、提供:ハウス・オブ・ドキュメンタリアンズ

    女性の服の装飾に使われるゴラベトゥーンを金銀取り混ぜて秘伝の方法で作っていた老職人。今は博物館に飾られているものを見るだけで、同じように作ることはできなくなっている。戦争によって材料も手に入らなくなり、肉親を失い、心身ともに傷つき果て、リズミカルに編み込んでいた手の動きが止まってしまったのだった。しかし、ある日、婚礼衣装を作ると言って起き上がる。金銀が手に入らなくなった時、彼がゴラベトゥーンの材料にしたものとは……。戦争前と変わりなく、仕事場の機械と職人の手がまばゆいばかりの糸を生成し、戦争の残骸をも老人の手先から紡がれていく。



    【監督のことば】数年前にイスファハーンに出かけた時のことだ。ある古い橋を訪れると、33のアーチがあるその橋の下に、ひとりのサントゥール奏者が座っていた。彼は集まった人々に、傍らにおいた楽器の物語を聞かせていた。その楽器の弦は、戦争で息子を亡くしたある老人が、戦車の弾薬筒から作ったものだった。奏者は、戦争中に味わった苦しみを話したがっているようで、人々をひきつけるために話をしているようだった。でも、私たちは、この話は新しい映画のいい題材になると考えた。
     そして私たちは脚本を書いた。最後にまた戦争が始まって、楽器の弦が再び爆弾になる物語だ。しかし、イスファハーン近郊でその老人の仕事場を見つけると、それは弦作りの男の人生と、彼が戦争の置きみやげで何をしたかを語るドキュメンタリー映画に変化した。


    - アリ・カランタリー

    1980年、イランのテヘランに生まれる。短編小説と映画脚本の執筆でキャリアをスタート。多数のコマーシャルを制作後、ドキュメンタリー制作を始める。2002年、テヘラン現代美術館の第3回ニュー・アート展にアッバス・キアロスタミらと共に参加。『ゴールデン・ダンス』はイランのキッシュ国際映画祭で作品賞、撮影賞、編集賞の3賞を獲得し、多くの国際映画祭で上映される。現在は新作『Fossil and Fossil Seller』を制作中。