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良いはずだった明日

It Was Better Tomorrow
Ya Man Aach

- チュニジア/2012/アラビア語/カラー/Blu-ray/71分

監督:ヒンド・ブージャーマア
撮影:ハーティム・ネシー
編集:ナーイマ・バシリー
製作:ハビーブ・アティア、ドゥラ・ブーシューシャ
提供:ノマディス・イマージュ

革命の混乱のなかにあるチュニジア。喧噪の路上で、監督はひとりの女性、アイーダと出会う。離婚し、障がい者の息子を連れて路上をさまよいながら、次々と空き家を見つけては、強引に住み着こうとするアイーダ。監督は、貧困のなかで日々の糧にも窮する彼女が、それでも逞しく生き抜く姿を追い、革命を成し遂げた民衆の熱狂の裏で、社会から疎外されてきた女性の目に映った現実の姿を浮かび上がらせる。



-【監督のことば】私がアイーダに会ったのは2011年1月14日頃だった。そのとき私は、多くの人と同様、自分なりにチュニジアの話をしたいと強く望んでいた。毎日の一瞬一瞬に体験する、あらゆる問題と疑念を交えながら。

 革命とは自分の見知った国が、ある日を境に別の国に変わる、生涯に一度の滅多にない機会である。

 私は街頭でアイーダに接近した。彼女は周囲で起こっていることに、まるで無頓着であるように見えた。この横柄で闘争的な女性は、半ば社会的混乱に乗じてドアを押し破り、ときにいきなり押し掛けて隣人たちを困らせた。4人の子どもを守るために住む家を見つけ、人生を変えようとしていた彼女には、革命が望ましい好機とは思えなかったのである。

 私は1年半の間、彼女のあとを追った。


- ヒンド・ブージャーマア

ブリュッセル経済学院(Institut Economique de Bruxelles)でマーケティングを専攻後、パリのEducatelで脚本の研修を受ける。その後、数本のチュニジアの長編劇映画の脚本に貢献。2008年に最初のショートフィルムを監督。自身の長編劇映画用脚本『Below Paradise』をもって実習支援プログラムMeda Film Development および Sud Ecritureに参加。2008年と2010年のカルタゴ映画祭のプロモーション映画を監督。