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E. 山の民、水の民 時代の軋み



森の奥のつり橋

In the Forest Hangs a Bridge

インド(アルナーチャル・プラデーシュ州)/1999/英語、アディ語、ヒンディ語/カラー/DCP(原版:16mm)/39分

監督、脚本、製作:サンジェイ・カク
撮影:ランジャン・パリット
編集:リーナ・モハン
エグゼクティブ・プロデューサー:ヴィナイ・シール・オベロイ
製作会社、提供:Octave Communications

シアン峡谷の川に掛かるつり橋は、アルナーチャルの山林に住むアディの民が誇る技術のたまものである。村の男たちは共同作業で森から籐と竹を切り出し、長さ300メートルの橋を毎年作り直すことを13世代にわたって続けてきた。鉄をたたいて作ったナタが唯一の道具。そして今、材料に鋼鉄のワイヤーが導入され、学業や仕事で山を離れる若者が多くなってきた。インド本土の撮影隊が撮ったこの映画は、時代の変わり目を捉えた決定的な記録となった。アディの人々に対する敬意と親密なまなざしを向け、コミュニティの強さとはかなさを映し出す。



浮島に生きる人々

Floating Life
Phum-Shang

インド(マニプール州)/2014/マニプリ語/カラー/DCP/52分

監督:ハオバム・パバン・クマール
監修:サラム・ラジェシ
撮影:アイロム・マイパク
製作:インド情報放送省映画局
提供:ハオバム・パバン・クマール

インド北東部最大の淡水湖ロクタク湖は、自然の有機物の浮島が無数に点在していることで知られる。マニプール州政府は2011年、浮島に住む人々の生活排水が湖水を汚染しているとして、何百もの家々に火を放った。生態系との調和の中でつつましく暮らしていた漁民の暮らしを重機が破壊する強制執行。支援者と共に当局への抗議行動を続けるためにも、小屋を建て直し、子どもに食事を食べさせる日常を丁寧に撮影している。監督はその後、出会った人たちを主人公に初の長編劇映画 『Lady of the Lake』(2016)を製作し、世界各地で好評を博した。