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アラブをみる――ほどけゆく世界を生きるために

共催:笹川平和財団 笹川中東イスラム基金

109日−12日 [会場]フォーラム4、山形美術館1

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国境を越えて広がるアラビア語圏。そこには「アラブ」とひと括りにできない豊かな個々の物語が溢れている。いわゆる「アラブの春」から4年。変わりゆく世界と真摯に向き合った新作と、40年代、70年代のレバノンやパレスティナを撮影した旧作を併せて上映することで、国家や共同体を越えた人々のつながりの可能性を模索する。


 エジプトからは、土地に根ざした因習と変わりつつある社会の狭間で浮かび上がる、ある女性の死生観を描いた『子のない母』、絵を描くことで抑圧的な環境を乗り越えた幼少期を振り返るシリア人監督作品『シリアの窓から』、モロッコ・カサブランカの旧市街の日常にヨーロッパとの関係性が見えてくる『城壁と人々』、かつてPLOの幹部だった父親の人生を娘の視点で描いた『離散の旅』、アラブの歌姫Asmahanが人々を魅了した背景を探りアラブの今を思索する『アスマハンの耐えられない存在感』、国籍も宗教も越え人物の本質に深く迫った『シリア、愛の物語』といった新作6作品と、『レバノン1949』『レバノン内戦』ほか16mmフィルムを上映。監督を始めゲストによるトークショーや関連ライブも開催予定。

レバノン・パレスティナ 40s−80s――16mmフィルムが捉えた風景
土地の日制作:パレスチナ解放機構(PLO)サメド映画部/日本/1983/48分
上映後トーク:田浪亜央江
レバノン1949メキシコ/1949/48分/サイレント(音声原版欠落)講談:宝井琴柑
レバノン内戦配給:若松プロダクション/日本/1976/65分
ベイルート1982 PLO撤退からパレスティナ大虐殺まで制作:布川プロダクション/日本/1982/19分
上映後トーク:足立正生

子のない母監督:ナディーン・サリーブ/エジプト、アラブ首長国連邦/2014/84分
アスマハーンの耐えられない存在感監督:アッザ・エル=ハサン/オーストリア、カタール/2014/71分

城壁と人々監督:ダリーラ・エッナーデル/フランス、アルジェリア、モロッコ/2014/83分
離散の旅監督:ヒンド・シューファーニ/パレスティナ、シリア、レバノン、アメリカ/2015/120分

シリアの窓から監督:ハーゼム・アル=ハムウィ/フランス、ドイツ、シリア、カタール/2014/70分
シリア、愛の物語監督:ショーン・マカリスター/イギリス/2015/80分


トークショー
アラブ映画について監督たちにきいてみよう!【入場無料】
関連ライブ
グッバイ・シュレンドルフ 「偽造された戦争 ―音の往復書簡―」 + Ky アコースティックライブ ヤマガタ版
[料金]当日2,000円