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■ジャン=ルイ・コモリ
■アモス・ギタイ
■羽田澄子
■スタンリー・クワン
■ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス

■林旭東
■中野理惠



 


中野理惠
(プロデューサー・映画ディストリビューター/日本)
Nakano Rie
(Producer, Distributor / Japan)
 

静岡県の伊豆に生れ育つ。大手建築会社、映画配給会社勤務の後、1987年(株)パンドラを設立。一方で、1970年代後半より、女性解放運動(ウーマン・リブ)に関わり、反性暴力を中心に、映画の自主上映活動もおこなう。
パンドラはオスカー受賞の長編ドキュメンタリー『ハーヴェイ・ミルク』が最初の配給作品であり、『100人の子供たちが列車を待っている』『百年の夢』『レニ』『ロシアン・エレジー』『セルロイド・クローゼット』『ナヌムの家』『ナヌムの家2』やソクーロフの6作品など、外国のドキュメンタリー映画の劇場配給をコンスタントに行っている日本で唯一の会社である。ソクーロフの長編ドキュメンタリー『精神(こころ)の声』では共同製作者として参加した。
新人の作品を好み、ジェーン・カンピオン、ビョン・ヨンジュ、カロリーヌ・リンク、仙頭直美などが世に出るきっかけをつくっている。また、50本近くの社会教育用VTRやPRなどの演出・製作経験や、翻訳書『アダルトチルドレンからの出発(たびだち)─アルコール依存症の家族と生きて─』も出している。


ドキュメンタリーの画面に映し出されるのは、カメラを向けられた対象者ではなく、カメラのこちら側、つくり手の在りようである。つくり手の生きてきた軌跡であり、思想であり、情感である。つくり手のすべてが、切り刻まれ解剖される。その痛み、苦しみ、時には快感が、また、作品にかえってゆく。この繰り返しの自己との相剋は、まさに<格闘>と呼ばれるに相応しい。そして、ついに対象化された自己が観客の目に晒されるのだが、格闘が深く、長く、苦しかったからといって、観客を十分楽しませられるわけではない。観客というのは意地悪で、「もっと、もっと」と貪り、求める習性をもっているからだ。表現とはすべからくそういうものなのである。
私がつくることの緒に立った人々の作品に見たいのは、秘められた激しい格闘である。
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