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ニュー・ドックス・ジャパン



 日本のドキュメンタリーにとって2006年は歴史に残る年と言える。映画館公開された日本映画278本のうち、実に35本がドキュメンタリーだったのだ。もちろん興行収入は『華氏911』(17.4億円)に遠く及ばないが、これだけの本数のドキュメンタリーが劇場公開されている国はなかなかない。

 YIDFF 2005で話題になった『Dear Pyongyang』(梁英姫監督)、『チーズとうじ虫』(加藤治代監督)や今年のニュー・ドックス・ジャパンのラインアップを飾る『蟻の兵隊』(池谷薫監督)、幅広い客層を集めた『ヨコハマメリー』(中村高寛監督)や口コミで脅威の単館ロングランを果たした『三池 終わらない炭鉱(やま)の物語』(熊谷博子監督)などが記録的な動員を次々と放った。

 ニュー・ドックス・ジャパンでは、国内で多くのファンを獲得しつつある日本ドキュメンタリーの勢いを借り、〈日本発信=世界へ飛び出す〉新作を6本上映します。

 また、財団法人日本映像国際振興協会J-Pitch事務局主催で「日本ドキュメンタリー、国際共同製作の可能性」と題した連続セミナーや、東北経済産業局主催「地域映画祭の明日を考える〜マーケットとしての可能性とは〜」と題したシンポジウムを開催し、日本ドキュメンタリーと映像産業、映画祭の役割について考察する機会とする。

藤岡朝子