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     特撮映画を通じて世界に核の愚かさと平和を訴え続けた本多猪四郎(鶴岡市出身)の作品を、YIDFF 2009に引き続き紹介。今年は怪獣映画初のカラー映画作品と、ドキュメンタリー魂に溢れた初期3部作の中から、劇映画第2作目の『南国の肌』をお届けする。ジャンルの違う2つの作品ではあるが、どちらからも自然の前に人間は畏怖を持たなければならないとの本多の一貫した姿勢が見て取れる。加えて日本映画監督協会製作の貴重なインタビュー映像も!


    空の大怪獣 ラドン

    Rodan

    1956/日本語/カラー/35mm/82分

    監督:本多猪四郎
    脚本:木村武、村田武雄
    特技監督:円谷英二
    音楽:伊福部昭
    出演:佐原健二、白川由美、平田昭彦
    製作会社、提供:東宝

    本多の創造した三大怪獣、ゴジラ、モスラ、そしてラドン。東宝特撮怪獣映画初のカラー作品であり、とりわけ特撮陣の造ったミニチュアの精緻さには瞠目させられる。地球温暖化を背景に、その影響で古代生物ラドンが蘇り、人間を襲う。ラドンに入ったスーツアクターは“ゴジラ”を演じた中島春雄(酒田市出身)。ヒロインの白川由美は作家、井上ひさし(東置賜郡川西町出身)の親戚でもある。



    南国の肌

    The Skin of the South

    1952/日本語/モノクロ/35mm/95分

    監督、脚本:本多猪四郎
    原作:福田清人
    撮影:川村清衛
    美術:西川善男
    音楽:芥川也寸志
    出演:伊豆肇、藤田泰子、志村喬
    製作会社、提供:東宝

    自然の驚異に目を向け、人間との共生を謳う。本多監督のドキュメンタリー魂が息づく初期3部作のうちの第2弾。監督はそのインタビュー集でも語っている通り、ロバート・フラハティ監督の『アラン』に影響を受けている。シラス台地が崩れるシーンは、本多のその後の特撮映画を見ているよう。



    - わが映画人生 本多猪四郎監督

    My Life in Cinema: Honda Ishiro

    1990/日本語/カラー/ビデオ/58分

    インタビュー:坂野義光
    製作、提供:日本映画監督協会

    日本映画監督協会創立60周年を機会に企画された、映画監督インタビュー・シリーズ。1990年1月23日収録、インタビュアーは映画監督の坂野義光。本多監督は映画界に入る経緯や初期作品について詳細に語っている。その中でもっとも思い出の深い作品として『南国の肌』を挙げているのが興味深い。