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祖国か死か

Motherland or Death
Patria o Muerte

- ロシア/2011/スペイン語/カラー/Blu-ray/99分

監督、脚本:ヴィタリー・マンスキー
撮影:ヴィタリー・マンスキー、 レオニード・コノヴァロフ
編集:マクシム・カラミシェフ
録音:グリゴリー・バティエフ
製作:ゲンナジー・コストロフ
配給:デッカート・ディストリビューション

楽園、あるいは革命のイメージばかりが一人歩きしているキューバに、ウクライナ生まれのヴィタリー・マンスキーが訪れ、庶民たちの生活をスケッチしていくなかで、風変わりな異邦人の視点からキューバ像を浮かび上がらせる。本作の題名は革命のスローガンからとられているが、このイメージに縛られているのはキューバの人々なのか。監督の猥雑にして旺盛な好奇心のおもむくまま、ヴィヴィッドで抒情的な紀行が映像に焼きつけられていく。



-【監督のことば】世界中の多くの人々が、キューバという国を今も続く劇的な変革の只中にあると見なしている。50年以上前に勃発したキューバ革命は、何百万人もの人々の人生を変えた。

 革命前後の生活を個人的に体験した人々は現在も生きている。我々の映画は、こうしたキューバ人たちを追ったもので、登場する全員が古いキューバのダンス、ルエダ・デ・カシーノを踊るダンス・チームのメンバーである。このダンスは、クルクルと舞い、踊る相手を代えていくのを特徴としている。彼らの生涯は、この回転するダンスに具現化されている。「祖国か死か!」のスローガンの下に人生は過ぎ去り、そのせいできわめて困難な選択を突きつけられてきた。

 今日のキューバは、昨日のロシアである。ロシア人監督によって撮られたこの映画は、共産主義体制終焉前のソビエト連邦にタイムマシンで旅する機会を与えてくれる。


- ヴィタリー・マンスキー

1963年、ウクライナ・リヴォフ生まれ。全ソ国立映画大学(VGIK)メジンスキー・スタジオ卒。現代ロシアのドキュメンタリー映像作家/製作者のなかで最も高い評価を受けるひとり。映画の世界での最初の作品は1989年に発表され、以後30を超える作品を撮っている。1996年以降、ソ連時代(30〜90年代)に撮られたアマチュア・ホームムービーのアーカイヴ作成プロジェクトに取り組む。ロシアで最古のドキュメンタリー映画専門のウェブマガジン(www.vertov.ru)の発行人。このほか、ロシアの最優秀ドキュメンタリー映画にあたえられる国内の賞LAVROVAYA VETV(月桂樹の枝)の設立者であり、モスクワ・ドキュメンタリー映画祭ARTDOKFESTの会長も務める。YIDFF 2001と2007では、『青春クロニクル』(1999)、『ワイルド・ワイルド・ビーチ』(2006)を上映した。