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Ich war, ich bin, ich werde sein!
I Was, I Am, and I Will Be!
- 日本/2025/100分
監督:板倉善之 Itakura Yoshiyuki
大阪の日雇労働者の街・釜ヶ崎の象徴だった「あいりん労働福祉センター」が2019年に封鎖される。大阪・関西万博開催を控え、ジェントリフィケーションが進められる中、映画はこの街の路上で生きてきた人物たちを追いかけていく。にわかに信じがたい素性を披瀝する者、社会構造の問題を訴える者、動物と生きる者、死を願う者。その一人一人の語りと向き合う長回しの映像は、画面に直接現れることのない、彼らの辿ってきた人生を想像させずにおかない。やがて監督たちは、この街で命を落としていった者らの声にも、耳を澄ませていく。
*題名のよみ「イッヒ・ヴァール、イッヒ・ビン、イッヒ・ヴェルデ・ザイン」。参考邦訳「わたしはかつて在り、いま在り、こんごも在る!」(野村修訳『ローザ・ルクセンブルク選集第4巻』現代思潮社、1962年より)