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貸出作品リスト:YIDFF '97


※監督の下段のデータは、製作国/製作年/使用言語/色/フィルム種別(35mmの場合のスクリーンサイズ)/上映時間/字幕
※以下、作品タイトルをクリックすると、より詳しい作品情報がご覧いただけます

YIDFF '97 インターナショナル・コンペティション出品作品


エルサレム断章

Fragments Jerusalem ('97 ロバート&フランシス・フラハティ賞)
監督:ロン・ハヴィリオ
イスラエル/1997/ヘブライ語、英語/カラー、モノクロ/16mm/358分/日本語字幕あり

監督ロン・ハヴィリオは自分の故郷であるエルサレムを記録に収めようとした。エルサレムは宗教の聖地として世界から巡礼が訪れ、また都市自体が貴重な歴史的建築様式を見せる美術品ともいえる。そもそもエルサレムとはどんな都市か。上映時間6時間、全七章からなるこの映画は、ときにイスラエル建国以前のパレスチナの歴史を、また監督自身の両親、祖父母のルーツを、そして数々の現代写真によってその都市の姿を、浮き彫りにしていく。

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アフリカ、痛みはいかがですか?

Africas: How Are You Doing with the Pain? ('97 山形市長賞)
監督:レイモン・ドゥパルドン
フランス/1996/フランス語/カラー/35mm(1.66)/165分/日本語字幕あり

1993年7月から1996年2月までレイモン・ドゥパルドンはアフリカを縦断した。寡黙なネルソン・マンデラを撮った南端から、アンゴラ、ルワンダ、ブルンジ、タンザニア、ソマリア、ケニア、スーダン、チャド、ニジェール、最後にエジプト・ナイルにたどり着く。アフリカ大陸の多くの国々は債務、食糧不足、病い、残虐な戦争によって引き裂かれている。旅を続ける中、ドゥパルドンは風景さえも過酷なものでありうることを発見する。空虚なレトリックを使わずに彼は非常に感動的な作品を作るのに成功した。

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ペーパーヘッズ

Paper Heads ('97 優秀賞)
監督:ドゥシャン・ハナック
スロヴァキア/1996/スロヴァキア語、チェコ語/カラー/35mm(1.33)/96分/日本語字幕あり

監督は、激動の時代をくぐり抜けたチェコスロバキアを斬新な視点でとらえた。公式記録、信頼できる証言、メーデー事件の演出などを効果 的に配し、市民と権力の関係を多角的に浮き彫りにしている。歴史的事実と現状を織りまぜることによって独特の詩情が生まれた。人間存在を深く広く追究し社会と個人の歴史を描く。この作品は、いまもって変化を続ける“時代”についての証言と考えられるだろう。ハナック監督は映画祭'89招待作品『老人の世界(百年の夢)』の監督。

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プライベート・ウォーズ

Private Wars ('97 市民賞)
監督:ニック・ディオカンポ
フィリピン/1996/英語、ヒリガイノン語/カラー/16mm/67分/日本語字幕あり

日本占領下に抗日運動に身を捧げ戦後家族を捨てて行方不明になった自分の父の存在を問いたずね、ゲイである自己との関わりを、再現ドラマを交えて描く。息子である監督は父親を捜しながら、同時に祖国フィリピンの歴史(1898年の米西戦争、独立を求める闘い、マルコス時代、再び訪れることのないコラソン・アキノの政権下での幸福感)を振り返る。彼は個人的な話と政治的な話の間を行ったり来たりしながら、不在の父親を描くという大きな仕事に取り組んでいる。

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アルプス・バラード

Alpine Ballad
監督:エリッヒ・ラングヤール
スイス/1996/スイス・ドイツ語/カラー/35mm(1.66)/100分/日本語字幕あり

20世紀末のアルプスの酪農一家の日常生活の描写――豚に餌をやり、チーズを作り、牛の乳をしぼり、肥やしを蒔く、冬になると材木を削る。説明も分析も美化もない。映画のなかには言葉も台詞もほとんどなく、カメラはただゆっくりとだけ動く。風景は息を呑む色彩のなかに広がる。詩的で官能的なイメージ。この映画のゆったりとしたテンポと威厳は、観客に心を自由に漂わせ、自身の立場に反映させ瞑想することのできる心理的な空間を与えている。

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アムステルダム・グローバル・ヴィレッジ

Amsterdam Global Village
ヨハン・ファン・デル・コイケン
オランダ/1996/オランダ語/カラー/35mm(1.33)/254分/日本語字幕あり

赤ん坊の誕生を迎える外国人のカップル、ダウン症のヌードモデルとカメラマン、フィルハーモニーの練習風景など、アムステルダムに住んでいる様々な人々の断片を描写。何も説明することなく映像は動く絵画のように展開する。街は、人々が世界中から集まってきて生活に自らの文化を反映させながら住んでいる場所として描かれる。作品は驚くほど多くの観察や物語が含まれ、それらがつなぎ合わされ、色とりどりのビーズが連なる一本の紐のようになっている。

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望郷

Homesick Eyes ('97 FIPRESCI賞)
監督:徐小明(シュー・シャオミン)
台湾/1997/タイ語、英語、中国語、タガログ語/カラー/35mm(1.85)/85分/日本語字幕あり

ニュー台湾シネマのベテラン監督シュー・シャオミンが、台湾において困難な状況にある4人のアジア人労働者について調査する。フィリピン人の家政婦、タイ人の建築現場労働者、そして中国からの不法移民者らに詳しいインタヴューを行い、現在起こりつつある社会問題に新しい光を投げかける。彼は通常のニュース映画のスタイルから離れ、4人個々の望郷の念にかられた心の輪郭を描くことに成功した。この作品はアジアのドキュメンタリーの飛躍を祈った故小川紳介監督に捧げられた。

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杣人物語

The Weald
河瀬直美
日本/1997/日本語/カラー/16mm/73分/英語字幕あり/山形県内上映のみ(県外上映についてはお問い合わせください)

カンヌ映画祭でカメラドール賞を受賞した『萌の朱雀』の舞台でもあった奈良県西吉野村大字平雄に暮らす6家族の老人たち。過疎の進む村で、大地を愛し生活を営み続けている彼らひとりひとりの人生に焦点を当て、作者自らがカメラを手に生活を経験し、体感し、共有し、存在し、紡ぎだした物語。夏の終わりから春の訪れまでの山の四季の移り変わりが、ごく自然なまなざしの中にとらえられている。

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母がクリスマスに帰るとき…

When Mother Comes Home for Christmas . . .
監督:ニリタ・ヴァチャニ
インド、ギリシャ、ドイツ/1995/シンハラ語、英語/カラー/16mm/107分/日本語字幕あり

ジョセフィンは皆がうらやましがる長期のいい仕事を手に入れた。スリランカからギリシャのアテネへの出稼ぎである。二歳の子供(イサドラ)の世話という安全で給料のいい仕事だ。クリスマスにはイサドラの実の母親が帰ってくるので、ジョセフィンは8年ぶりのクリスマス帰還をする。その間孤児院に預けられていた3人の子供たちは、久しぶりに会う母親にとまどう。ジョセフィンの短期訪問は子供たちにさまざまな感情を呼び覚ます。