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日本プログラム


1011日−14日 [会場]ソラリス1

 日本のいまを独自の視点で捉えたドキュメンタリーを紹介する日本プログラム。劇映画で演技が変化していくプロセスを緻密な構成で描く『王国(あるいはその家について)』、震災後の陸前高田市で長期にわたり震災FMラジオ・パーソナリティーの女性を捉えた『空に聞く』、“ブラック企業”と戦う一人の労働者を追った『アリ地獄天国』、沖縄戦の深い闇に迫った『沖縄スパイ戦史』、東京の干潟に暮らす男性の80年に渡る人生に向き合った東京干潟』の5本を上映する。



- 王国(あるいはその家について)
Domains
日本/2018/150分
監督:草野なつか Kusano Natsuka

演出による俳優の身体の変化に着目した作品。脚本の読み合わせやリハーサルを通じ俳優が役を獲得する過程を、同場面の別パターンまたは別カットを繰り返す映像により捉える。ドキュメンタリーと劇で交互に語りながら友人や家族という身近なテーマを用い人間の心情に迫る。2017年に発表した64分版を再編集。



- 空に聞く
Listening to the Air
日本/2018/73分
監督:小森はるか Komori Haruka

東日本大震災後に陸前高田災害FMでパーソナリティを務めた女性。彼女が地域に住む多くの人の記憶や思いに触れ、彼らの声をラジオで届ける日々を、親密な距離で綴る。並行して、津波によって流されてしまった街の復興が着々と進み、嵩上げされた土地に新しい街が造成されてゆく様子が描かれてゆく。



- アリ地獄天国
An Ant Strikes Back
日本/2019/98分
監督:土屋トカチ Tsuchiya Tokachi

とある引越会社。社員らは自らの状況を「アリ地獄」と呼ぶ。それは、長時間労働を強いられ、事故や破損を起こせば借金漬けに陥る状況を指す。営業職の34才の男性は異議を唱え、一人でも入れる労働組合に加入した。すると、粉塵の舞うシュレッダー係へ配転、のちに懲戒解雇に追い込まれる。



- 沖縄スパイ戦史
Boy Soldiers: The Secret War in Okinawa
日本/2018/114分
監督:三上智恵、大矢英代 Mikami Chie, Oya Hanayo

第二次世界大戦の末期、米軍が上陸し民間人を含む20万人以上が死亡した沖縄戦。その裏に秘められた歴史があった。少年ゲリラ兵士部隊、マラリア地獄、味方による住民虐殺、そして、陸軍中野学校出身の青年将校たちによる関与。沖縄戦最大のタブーを白日の下に晒すことで、日本の再軍備化に警鐘を鳴らす。



- 東京干潟
Tokyo High Tide
日本/2019/83分
監督:村上浩康 Murakami Hiroyasu

多摩川の干潟でシジミを獲りながら捨て猫たちと暮らす老人を通し、オリンピック直前の変わりゆく東京を捉えると共に、彼の人生に昭和から平成、令和へと続く時代の流れを反映させて描いた作品。都市の“最下流”から、環境破壊、高齢化社会、貧困問題、ペット遺棄、生物多様性など、日本が抱える様々な課題が浮き彫りになっていく。