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アジア千波万波 [インド]

夢の王

King of Dreams
- インド/2001/英語/カラー/ビデオ/30分

監督・脚本・ナレーター・製作:アマル・カンワル
撮影:ディリープ・ヴァルマー、ランジャン・パリット
編集:サミーラー・ジャイン
録音:スンダル
音楽:モーヒト・チョウハーン、ケーム・トリヴェーディー
製作会社・提供:A. K. プロダクション
A.K. Productions
N 14 A Saket, New Delhi 110017 INDIA
Phone: 91-11-6516088 Fax: 91-11-6513556
E-mail: amarvg@del3.vsnl.net.in

男性のセクシュアリティと性欲についての探究。映像と音の官能的な組み合わせが感性に訴え、理知的なナレーションが複数の人格を装い、夢を語る。浮かび上がっては消える語り手の意識は絡み合い、闇の襞に隠された衝動や優しさ、鮮血や精液の記憶が心を揺り動かす。人はまどろみの中でみた「夢の王様」=「究極の夢」を思い出すことができるのだろうか。作者のアマル・カンワルは99年アジア千波万波で『外部の季節』が上映された。



【監督のことば】人生の大部分は、細い紐の上を歩いているようなものだ。何もかもが思い通りにならないのに、人は平気を装ってあぶなっかしく歩いていく。

 『夢の王』は完成までに約2年かかったが、私にとっては大きな賭けと実験だった。性について、肉体交渉について、欲望や強迫観念について、どうやって映画を作ればよいのか? 私は人々の腹の内を明かし、実際の生活に入り込んで傷口をこじ開けたりすることはいやだった。憐れみ、罪悪感や自己告白に溺れたり、ドラマチックな秘密話もごめんだ…。それでいてこれは、愛と力関係、やさしさと残忍さ、苦悩と正義についての物語でなくてはならなかった。

 秘められた時間や、様々な個人や経験から生まれたバラバラな思いを映画の中でどうやって表現するのか? それぞれの思いが個別に持つイメージや、それぞれの画面から触発される思いは、一見別々の方向性のように思えても、一緒にしてみると意味を成してくる…。現実でもちょうどそうであるように。様々な観客に向けて、複合的ないくつものテリトリーを映画で構築することは可能だろうか?

 多くの異なったアイデンティティを貫いて走る一本の細い線を探すうちに、いくつか個人的な領域に入ったり出たりした。我々みんなが内に隠し持っている小さな空間を見つけることができるような、シンプルなストーリーを作るよう心がけた。

 

- アマル・カンワル

過去10年に渡り、インドのニューデリーを拠点に活躍しているドキュメンタリー映画作家。この間に、TV放映用のドキュメンタリーを数本製作している。テーマは、健康、エコロジー、労働、政治、そして教育。『外部の季節』は1999年サンフランシスコ国際映画祭でゴールデン・ゲート賞、ムンバイ国際ドキュメンタリー映画祭でGolden Conch賞を受賞。1999年の本映画祭「アジア千波万波」でも上映された。カンワルは、1998年度マッカーサー・フェローシップの受賞者であり、本作品の製作助成を受けた。


アジア千波万波夢の中で愛についての実話移民者の心僕たち線路沿い不幸せなのは一方だけじゃないこの冬ジャリマリ夢の王友人、スーパフォーマンス母の家は入り江アテフェと水Blessed ―祝福―MAYA団地酒異相村の新しい一歩別れパンジーと蔦空色の故郷居留―南の女ニュースタイムマージナル種まき塩素中毒集集大怪獣ミックス・フルーツ・バナナ・スプリットセールス落ちて行く凧時の行進昔むかしHUMMADRUZ 〜大地の呼び声〜水と消えゆく ●アジア千波万波招待作品ミュージシャン日蝕騒音の向こう側「流離島影」シリーズ03:04南之島、男之島西の島専売特許・釣魚島サイレント・デルタ ●審査員佐藤真チャリダー・ウアバムルンジット ●アジア千波万波スペシャルノンプロフィット・フィルムの現在/新たな文脈を求めて