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モーゼからの権利証書
Title Deed from Moses
パレスティナ/1998/アラビア語、英語/カラー/ビデオ/30分

監督・脚本・撮影:アッザ・エル・ハサン
編集:サイード・アンドーニー
音楽:オーデ・トゥルジェマーン
提供:アッザ・エル・ハサン
(Azza El-Hassan)
P.O. Box 1901 Ramallah, West Bank PALESTINE
Phone: 972-50-260800
Fax: 972-2-2959962
E-mail: yamama@palnet.com


アッザ・エル・ハサン
Azza El-Hassan


1971年、パレスティナ人の両親のもと、ヨルダンに生まれる。その後レバノンに移り住むが、1982年イスラエルのレバノン侵攻と同時に、家族と共にヨルダンに戻る。グラスゴー大学とロンドン大学で学ぶ。テレビドキュメンタリーの修士課程終了。その後、ロンドンのMBC(中東放送センター)において、アシスタントディレクターとして働く。アンマンに戻り、ドバイ衛星放送の番組の制作に携わる。1996年、パレスティナへ。初めてのドキュメンタリー『Arab Women Speak Out』を制作。その後もパレスティナに滞在し、経済や人権をテーマにした短編ドキュメンタリーを制作。1999年には『Sinbad is a She』を製作。

イスラエル入植地の拡大を疑問視するパレスティナ人ジャーナリストが、いとも簡単に破壊されてしまうアラブの村と立ち退かされる人々の現実を提示する。取材はさまざまな証言を得る。人権活動家の話、都市計画者の無言、生活の全てを壊されたパレスティナ人一家、そして「モーゼの時代にまでさかのぼる権利証書をもつ」らしい、入植地のイスラエル住民。


【監督のことば】

占領、そして抑圧。その現実は個人としての非常に私的な部分に影響を及ぼす。イスラエル入植地について映画を撮ろうと思った時、自分自身の考えを基に、自分自身の手で始める以外になかった理由がそこにあります。
この作品は、ホームビデオカメラの特性を持ち備えている、ミニDVC(カメラ)で撮影されました。このカメラで撮影したことが、この映画に私的な世界を綴る、ある種のビデオ日記的な感じを与えていると思います。しかし、DVCを撮影機材として選んだことには、むしろそれとは別 に、明確な理由がありました。拡大し続ける入植地、マーレアドミム。私はこの入植地の拡大によって、周辺のパレスティナ人の村に起きていることを、それらの村が消えていく前に記録したかったのです。入植地の拡大していくスピードに拮抗するには、映画製作のための資金調達を待つことはできませんでした。
「私がもし男だったなら、この作品は作ることができなかったかもしれない。」そんなことを私はよく考えます。嘆きの壁でのシーンなどは、そのいい例です。あのシーンが撮影された日は、ユダヤ教の祭日でした。パレスティナ人の男性であったならば、あの場所に近づくことさえもできなかったはずです。それでも私があの場所に立ち入ることができたのは、私が女性であったからばかりでない。イスラエル側が勝手に抱いている、ステレオタイプなパレスティナ人の見た目や行動パターンに、私自身が当てはまっていなかったからだと思います。それでも、あの日の撮影はフェンスの裏側からしか行なうことができませんでした。一般 的に女性が嘆きの壁に近付くことは許されないのです。
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