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太陽はどこに?
The Hearts That Can't See the Sun
Günes GÖrmeyen Kalpler
トルコ/1999/トルコ語/カラー/ビデオ/23分

監督・撮影・編集:ハサン・カラジャダ-
脚本・録音:ハサン・カラジャダ-、イムハン・カラジャダ-
音楽:ジワン・ハジョ&ディフェレントディメンション
ナレーター:ビタム・ベクレリス
製作:ハサン・カラジャダ-、オフィス幸田
提供:オフィス幸田
〒165-0026 東京都中野区新井4-1-8エクセル中野302

 
ハサン・カラジャダー
Hasan Karacadag


1976年トルコ・ディヤルバクル生まれ。1993年より3年間の軍隊生活を送った後、1995年より映画製作を開始。トルコ映画監督協会主催の映画学校に入学し、1997年にカリキュラムを修了する。これまでに数々の短編映画、ドキュメンタリー、広告映画を製作している。作品歴:『The Smell of My Father's Stockings』(95・クルド語)、『The Song of People With AIDS』(97)、『Funerals and Weddings』(96、97年度トルコ映画監督協会最優秀短編映画賞)、『Bushido Brother』(97)、『Gypsies in Turkey』(97年)など。

 
さまざまな民族が暮らすといわれるトルコにおいて、きらびやかなまでに発展の途を辿る西部に比べ、クルド人も多く住む南東部は未だ貧しいまま取り残された感があり、その状況は決して楽観的な希望の持てるものではない。貧しさから逃れるためイスタンブールやアンカラなどの大都市へ移住する人々がなぜそのような状況に追いやられるかを幻想豊かな映像で再現し、その犠牲となる子どもたちの悲惨な運命を告発する。


【監督のことば】

この映画からは登場人物の声が聞こえてこない。なぜなら、長い間、世界はこの小さな子どもたちの声を聞こうとしなかったのだから。
トルコ東南部は、豊かな土壌に恵まれているにもかかわらず、そこに住む多くの人々は失業や貧困などの問題を抱えている。この貧困から逃れるために、西部への移住が始まった。
しかし、移住先では、文化や言葉の違いが「壁」となり、さらに別の問題を生んだ。「路上の子どもたち」(ストリート・チルドレン)もそのひとつだ。彼らは路頭に迷い困窮し、自身の宿命を嫌悪しながら社会の片隅で大きくなっていく。
映画の中で、私は羊を「希望」、海を「まだ見ぬ幸福」、陽の光を「本物の幸福」の象徴として描いた。子どもたちは安住の地を求めて西部へと去り、空っぽになった家に、初めて陽の光が射し込む。
彼らは、なぜ遠くにある「まだ見ぬ幸福」を求めるのか。西部への脱出だけが真の解決なのだろうか?もう少しだけ立ち止まり、自らの土地に目を向け努力することが必要だったのではないだろうか。そうすれば、彼らは陽(幸福)を見ることができたのではないだろうか。
陽は、西部だけを照らすのではなく、すべての土地に平等に降り注ぐのだから。
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