放牧地で草を刈っている女性二人をカメラは追っていく、ただそれだけの映像である。にも拘わらず瞠目してしまうのは、“日常”を捉えるようとする作り手の視点があるからに他ならない。ドキュメンタリーにおける“日常”とは、モンタージュ(作為)ではなく、カメラを持った作り手の思想によって、浮き上がってくる。