インターナショナル・ コンペティション |
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審査員 |
審査員
ガリン・ヌグロホ
●審査員のことば
“山形”は、歴史の地図――ドキュメンテーションの地図と人生を、読み解くための一方法です。
したがって、人生を見たいと望む人々は、山形の映画祭を訪れ、この目で見なければなりません。
1961年、ジョグジャカルタに生まれる。1985年までジャカルタ芸術大学で映画を学ぶ。1991年に初の長編劇映画『一切れのパンの愛』を監督するまでに、2本の短編と15本のドキュメンタリーを作っている。映画監督のほか、ジャーナリストや大学教授としても活躍。監督作品は『天使への手紙』(1993)、『そして月も踊る』(1996)、『枕の上の葉』(1999)、『Birdman Tale』(2002)、『セランビ』(2005)、『オペラジャワ』(2006)、『The Blue Generation』(2008)などで、いずれもインドネシアの多様な文化と社会問題を扱っている。 |
ある詩人
A Poet: Unconcealed PoetryPuisi Tak Terkuburkan
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インドネシア/1999/アチェ語/カラー、モノクロ/35mm/83分
監督、製作総指揮:ガリン・ヌグロホ
脚本:ナナ・ムルヤナ
撮影:ウィナルダ・E・メララトア
編集:ラフマットYP
録音:ユニ・クスナディ
音楽:トニー・プラボウォ
美術:トニー・トリマルサント
出演:イブラヒム・カディル、ベルリアーナ・フィブリアンティ、 ジョゼ・リザル・マヌア、エラガヨ、アマク・バルジュン、 アティク・キャンサー
製作会社、提供:セット・フィルム・ワークショップ
アチェに伝わる「ディドン」は、グループで詩歌を歌い競い合うコミュニティの大衆芸能である。映画は詩人でディドン演者のイブラヒム・カディルを主人公に、200万人とも言われる国民が虐殺された1965年の凄惨な「アカ狩り」を初めて描いたインドネシア映画。回想と獄中での経験を再現したシーンを編み合わせ、無実の人々が恐怖に怯えながら処刑を待つ不条理な時間と、愛の思い出の語り合いや祈り、詩歌と踊りを通して人間らしい尊厳を守る姿を映し出す。