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アジア千波万波 [中国、アメリカ]

350元の子

Three-Five People
350元之人

- 中国、アメリカ/2001/英語、中国語/カラー/ビデオ/85分

監督、脚本、撮影、編集、ナレーター、製作、提供:李林(リー・リン)
Li Lin
92 Boundary St. Roseville NSW, 2069 AUSTRALIA
Phone / Fax: 61-2-9417-0353
E-mail: dingding@dodo.com.au

四川省・成都の路上で知り合った12歳の少年・胡健とその仲間は、ヘロインを買うため盗みを重ね、麻薬中毒となっていた。子どもたちを利用し金を吸い上げる闇社会の構造と警察当局の癒着を、監督は隠しカメラを多用した取材で暴きながら、彼らを救おうと奔走する。少年たちを北京へ連れ出し麻薬を断たせようとしたり、孤児院での保護などの道を模索するが、警察や黒社会に命を脅かされるようになる。作品題名は、警察につかまった子どもの保釈金額で、約5000円。



-【監督のことば】まったく違う短編映画を作ろうとしていた矢先、偶然この子たちと出会った。彼らと共に、そして彼らの為にもこの映画を作らずにはいられなかった。このビデオを作ったことによって、彼らの悲惨な身の上を深く知り、どのように巨悪の犠牲にさせられているかを目の当たりにした。彼らはまだ無垢で、犯罪もドラッグもない、有意義で幸せな人生を送れる可能性も秘めている。

 グローバリズムの下、人類は文明社会に向かって邁進しようとしている。しかし、中国で少年たちと共に生活する機会を得た私は、金銭が放つきらびやかな光の中で、道徳や伝統、信仰が日々色褪せていることに気付かされた。初期資本主義の罪悪が、今日の中国で再演されているのである。


- 李林(リー・リン)

1960年、大飢饉の最中、中国の北東部満洲里の小さな町に生まれる。食糧がなく痩せ細り病気だった監督を、母親は6歳になるまで母乳で育てた。その後、文化大革命の2年間、医者である父親によって育てられた。父親からは絵を描くことを学び、初めて描いた紅衛兵の絵画が芸術の道を開いた。中国魯迅美術学院で彫刻を学び、その後オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ大学の芸術学部、カリフォルニア芸術学院フィルム・ビデオ学部で学ぶ。代表作品は、『天极』『飄』『悉尼装卸煤的码头』など。本作は、ウィーン国際映画祭(2001)、アムステルダムのシャドウ・ドキュメンタリー映画祭(2001)、プサン国際映画祭(2002)でも上映された。本作の続編『求救』(2003)も完成している。

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