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アジア千波万波 [日本]

ヒバクシャ ― 世界の終わりに

Hibakusha--At the End of the World

- 日本/2003/日本語、英語、アラビア語/カラー/16mm/116分

監督、脚本、ナレーター:鎌仲ひとみ
撮影:岩田まき子、家塚信 
編集:鎌仲ひとみ、松田美子
録音:河崎宏一 
音楽:クリストフ・ヒーマン
製作:小泉修吉、川井田博幸
製作会社、提供:(株)グループ現代
〒160-0022 東京都新宿区新宿1-11-13トラスト新宿ビル4階
Phone: 81-3-3341-2863 Fax: 81-3-3341-2874
Email: distribution@g-gendai.co.jp URL: www.g-gendai.co.jp

世界に国境のない核汚染が広がる……。湾岸戦争後、イラクでは劣化ウラン弾が原因ではないかと考えられる白血病やガンが多発している。広島では原爆から50年以上たった今も被害者の体内に放射能が残り、被爆者を苦しめる。米ワシントン州ハンフォードの核兵器施設の風下住民が核汚染被害を患う。汚染された土地に住まざるをえず、地下水や農作物から体内被曝し日常生活をおくる一般市民の笑顔と苦悩を見つめ、人類の行く末を考える。



-【監督のことば】原爆や被爆者についての映画を作ろうなどと思ったことはなかった。イラクで出会った白血病の子供たちがヒバクシャだと気がつき、彼らを蝕んでいる低線量被曝なるものが目にも見えない、臭わない、聞こえないものであり、その存在を科学的に否定されているものだと解った時、どうしたらそのことを今、生きている自分自身ときり結んで伝えることができるか、考えた。ヒバクシャに会って話を聞き始めてからどんどん新しい扉が開いてそこには人間の深い業が横たわっていた。核をめぐる人間の営みは矛盾に満ちているし、そもそもそれが人間とも言える。映画作りの道行きを共にした肥田舜太郎医師が見てきた被曝の世界が、無知だった私にも見えてきた。58年前の原爆やイラクで使われた劣化ウラン弾が自分の現在に時間や空間を超えて立ち現れてきたのは必然だった。その過程をそのまま映画にした。素朴といえば素朴な映画だと思う。私ができたのは今を生きるヒバクシャの声をただ聞くことだけだったのかもしれない。普通の生活をしていただけで被曝してしまった人々をイデオロギーから関係のない場所で、プロパガンダから自由になって描きたかった。


- 鎌仲ひとみ

1990年、初めての自主制作映画『スエチャおじさん ― バリ・夢・うつつ』を完成。文化庁の助成でカナダ・ナショナル・フィルム・ボードへ。カナダのブルース・ゴットリーブ監督作品『犬頭脳の提案』に出演、編集を担当。その後ニューヨークでペーパー・タイガーに参加し、1995年帰国。岩波映画『災害は都市を襲う』(1995)、NHKの番組『心の病がいやされる時 ― 今日本の家族に何が起きているのか』(1998)、『戦禍にみまわれた子供たち ―湾岸戦争8年後のイラク―』『エンデの遺言 ―根源からお金を問う―』(1999)、『がんを生き抜く ―希望を支える医療の記録―』(2001)などを監督。


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