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アジア千波万波 [日本]

蒲公英的歳月(たんぽぽのさいげつ)

Dandelion

- 日本/2003/中国語、日本語/カラー/ビデオ/60分

監督:任書剣(にん・しょけん)
撮影:城阪雄一朗
編集:城阪雄一朗、野々川良子
録音:野々川良子
製作:原一男
プロデューサー:森山兼一
製作会社、提供:日本映画学校
〒215-0004 神奈川県川崎市麻生区万福寺1-16-30
Phone: 81-44-951-2511 Fax: 81-44-951-2681
E-mail: info@eiga.ac.jp URL: www.eiga.ac.jp

福建省の貧しい農村から、重婚や密入国までして日本へ次々家族を呼び寄せる中国人一家。不法滞在の不安もいとわず、国で待つ家族に仕送りを続けていく。急病になり、逮捕され、日本人に騙される。最低限の暮らしをしながら美容院やインターネットカフェを経営し、ビザや言葉の問題を抱えながらの彼らの生活は厳しい。本国の一族の生家では、家族がさまざまな思いで彼らを待つ。中国からの留学生である監督自らが国際都市東京の知られざる世界に切り込む。



【監督のことば】『蒲公英的歳月』では、欲望と現実がぶつかっている人たちを描いています。日本にいる中国人不法滞在者たちは日本で働いて中国の家族に仕送りをして、みんなにいい暮らしをさせてやりたいと思っているわけですが、その現実の中には大きい壁があるのです。

 私は当初、彼らに対して2つ感情を持っていて、ひとつは自分の自由を捨てて、気の毒だなという同情の気持ち。そしてもうひとつは、同情はするけれどそういうやり方ではなく他のやり方があるのではないですかという気持ちです。

 しかし、彼らの生活の実情がわかってみると中国の福祉のあり方の問題が見えてきました。中国の人口13億人のうち農村の人は5億人いますが、収入は少ないし、生活の保障 がまったくありません。中国に対して、国の人が人間としてきちっと生きられるよう、外国に行って不法就労しないで済むような生活環境を整えて欲しいという思いがあります。

 2008年に北京でオリンピックがあって、2010年には上海で博覧会があって、これから中国の経済はどんどん発展していくと思うけれど、21世紀の初めにはまだこんな問題があったということを忘れないよう記録に留めておくため、この作品を作りました。


- 任書剣(にん・しょけん)

1975年、中国南京生まれ。1993年、国立南京大学文学院に入学。1997年、南京大学文学創作賞を受賞。2000年、日本映画学校に入学、日本映画学校第14回今村昌平賞を受賞。現在、日本大学芸術学研究科博士前期課程に在籍し、映像芸術を専攻している。


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