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未来への映画便

共催:山形大学映像文化研究所
協力:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、国際交流基金、国際交流基金


戻れない時間のなかで

 映画を見ることは、自分を超えた存在と出会い、驚き、他者に思いを馳せる体験にほかならない。映画からの声、それに対する応答が、いつかどこかで誰かに、特に若い人々に届くことを願って――。YIDFFでは、高校生チームによるドキュ山ユースの活動に加えて、主に大学生や高校生を対象とした鑑賞プログラムやワークショップを継続して開催している。映画祭において3回目を迎える今回のプログラムでは、フランスから映画監督のマリー=クロード・トレユを招聘し彼女のドキュメンタリー作品『昔々、テレビは』(1985)とともに、アフガニスタン出身の女性監督セディカ・レザエイによる『ガワスへの帰郷』(2005)を上映する。トレユ氏は自身の映画制作の一方で、フランスの映画教育機関アトリエ・ヴァランの講師を長く務めてきた。今回上映される『ガワスへの帰郷』は、カブールで行われたそのワークショップで制作され、彼女が自身の作品との組み合わせを考慮して本プログラムのために推薦したものである。2本の作品は、制作された時期も国も異なっているが、伝統的な文化や閉ざされた共同体のなかへテレビやモニターによって映像が介入するという点において共通している。テレビという窓は、それまで隔絶されていた共同体に外部世界の「今」という時間を持ち込み、社会のあり方そのものを静かに、しかし大きく揺さぶる。上映後には鑑賞ワークショップを開催し、新しいメディアと私たちの生きる社会との関係、そしてその変容について参加者とともに考察する(学生は映画上映・ワークショップともに参加無料、要申込み)。

土田環(プログラム・コーディネーター)



これまでの「未来への映画便」上映作品
YIDFF2021:『若き孤独』(2018、監督:クレール・シモン)、『語る建築家』(2011、監督:チョン・ジェウン)、『言語の向こうにあるもの』(2019、監督:ニシノマドカ) *ファシリテーター:土肥悦子(こども映画教室)、土田環(YIDFF)
YIDFF2021 ON SCREEN !:『牛』(2021、監督:アンドレア・アーノルド) *ファシリテーター:中村高寛(映画監督)、土田環
YIDFF2023:『ヘルマン・スローブ 目の見えない子ども2』(1966、監督:ヨハン・ファン・デル・コイケン)、『ベッピー』(1965、監督:ヨハン・ファン・デル・コイケン) *ファシリテーター:クリストフ・ポスティック(リュサス国際ドキュメンタリー映画祭)、ニシノマドカ(映像作家)