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Below the Cloudsビロウ ザ クラウズ(英題)

Sotto le nuvole

イタリア/2025/イタリア語、アラビア語(シリア)、日本語、ナポリ語方言、英語/モノクロ/ DCP/114分

- 監督、脚本、撮影、録音:ジャンフランコ・ロージ
編集:ファブリツィオ・フェデリコ
作曲:ダニエル・ブルンバーグ
エグゼクティブ・プロデューサー:ドナテラ・パレルモ
製作:ジャンフランコ・ロージ、ドナテラ・パレルモ、 パオロ・デル・ブロッコ
製作会社:21Uno Film、 Stemal Entertainment、Rai Cinema
配給:The Match Factory
配給(日本国内):ビターズ・エンド

イタリアはナポリ、ヴェスヴィオ山の麓。街の地下には墓泥棒のトンネルが続き、古代邸宅のフレスコ画は跡形もない。明け方、震度3の揺れが人々の眠りを覚ます。消防署に届く市民からの電話の声。垂れ込めた雲の下、火口が噴煙を上げる。港に着岸した巨大な船からはシリア人の若者がウクライナ産の小麦をおろしている。商店街では、ティッティおじさんが、子どもたちの勉強を見てくれる。ポンペイ遺跡では、東京大学のチームが発掘にあたり、博物館の保管庫では、館員の照らす懐中電灯に彫像が浮かびあがる。火山の街の歴史と現在が闇の中に明滅する。(AK)



【監督のことば】歴史の痕跡と、時間の遺構、そして日常生活の残骸を求めて、私は3年にわたりヴェスヴィオ山を取り囲む地平線に沿って生活し、撮影しました。人々の声の中に聞いた物語を捉え、フレグレイ平野から立ち上る雲と蒸気を観察しました。私は映画を撮る時に、ある場所や特定の状況から生まれる偶然の出会いが自分にもたらす驚きを大事にしています。物語が生まれようとする中でカメラのフレームの内部にとどまりながら、この不思議な感覚に忠実であり続けることは困難かもしれません。映画に流れる時間とは、こうした出会いに満ちた時間なのです。撮影は白黒で行いましたが、同時に私は白黒で観察しました。海と空とヴェスヴィオ山の間で映画を撮る中で、真実と可能性をめぐる新たな記録を発見したのです。


- ジャンフランコ・ロージ

イタリア出身のドキュメンタリー映画 監督。1985年、ニューヨーク大学フィルム・スクールを卒業。作品には、『Boatman』(1993)、『Below Sea Level』(2008)、『El Sicario - Room 164』(2010)、ヴェネツィア国際映画 祭で金獅子賞を受賞した『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』(2013)、ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞し、 米アカデミー賞にノミネートされた『海は燃えている イタリア最南端の小さな島』(2016) などがある。『国境の夜想曲』(2020、YIDFF 2021)はアカデミー賞の最終候補となった。『旅するローマ教皇』(2022)では教皇フランシスコの世界各国への訪問を追った。その作品は、危機の中における人間の力強さを探求している。2024年、ポーランドのエネルガ・カメリマージュ映画祭で、ドキュメンタリー映画制作における優れた功績に対して賞を授与された。