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愛しき人々

Malqueridas

チリ、ドイツ/2023/スペイン語/カラー/DCP/ 74分

- 監督:タナ・ヒルベルト
脚本:タナ・ヒルベルト、パオラ・カスティージョ・ビジャグラン、ハビエラ・ベロソ、カリナ・サンチェス
編集:ハビエラ・ベロソ、タナ・ヒルベルト
録音:カルロ・サンチェス、 ジャニス・グロスマン=アランブラ
製作:パオラ・カスティージョ・ビジャグラン
共同製作:ダーク・マンタイ(Dirk Manthey Film)
製作会社:Errante
配給:Square Eyes

チリの刑務所に収監された女性たちが、撮影行為を禁じられた中で、携帯電話で密かに残した日常の光景。獄中出産した子ども、離れて暮らす家族、恋人でもあり家族のようでもある収監仲間。これらのなにげない映像が消去され失われる危険に抗い、イメージに永続性を持たせるため、監督はすべての画像を一度プリントアウトし再映像化する。複数の女性たちの証言と映像が混じり合い、粗い画素がインクに置き換えられたデジタルともアナログともつかない風合の画面が、女性であり、母であり、囚人でもある彼女たちの置かれた状況を親密に物語る。(YH)



【監督のことば】ケア、牢獄、そして性役割は、初期の短編作品から一貫してわたしの創作上の考えを動かしてきたテーマである。これは彼女たちとわれわれとのあいだを行きつ戻りつしながら生み出された作品であり、支配的なナラティヴに挑みつつも、当事者の話やその存在、その人間性はそのままに残されている。獄中から密かに送られた携帯電話の映像素材を用いて、われわれは彼女たちの経験や愛情をある集合的な物語へと再構成する。そのナラティヴは、20人以上の女性たちとの多岐にわたる会話を、そのひとりであるカリーナの経験を通じて再解釈したものから浮かび上がってくる。本作では、送られてきた画像や映像に物理的な存在感を与えてそれを消すことのできない永続的なものにするために、ひとコマずつ印刷したものをさらにデジタルで読み込むという手法が採られている。このようにして本作に収められた集合的記憶は、イメージの価値についてある問題を提起するものとなる。イメージを生み出すとはすなわち、現実を横領してわれわれ自身のものとすることなのだ。


- タナ・ヒルベルト

チリの映画作家。これまで制作した短編ドキュメンタリーは、ホット・ドックス、モントリオール国際ドキュメンタリー映画祭、シカゴ国際映画祭、バリャドリード国際映画祭、バルディビア 国際映画祭ほか、国内外の映画祭で上映されている。チリ大学よりドキュメンタリー映画の修士号を取得し、チリ国内のさまざまな大学の映画コースで講義を担当する。2019年にはアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭の教育プログラム「IDFAアカデミー」に選出。本作は初の長編作品となる。