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[アフガニスタン]

撃たれた自由の声を撮れ

Shot the Voice of Freedom
شلیک به صدای آزادی

アフガニスタン/2024/ダーリ語/カラー/DCP/70分

- 監督、脚本、製作:ザイナブ・エンテザール
編集:モハッマド・サミプール
録音:メールダード・ジェロカニ
製作会社:Lumier Film
提供:ザイナブ・エンテザール

2021年に復権したタリバンは、女子の高等教育を停止するなど、女性の存在を消し去るかのようにその自由を奪い、アフガン社会に根強く残る家父長制が、さらに強化されてゆく。絶望的な状況の中、人権を取り戻そうと立ち上がった女性運動家たちは、スカーフの下にスマートフォンを隠し、暴政に抗う自分たちの姿を記録し続けた。銃火にさらされ、死の危険と隣り合わせになりながらも、アフガニスタンの中から抗議の声を国内外へ届けようと奮闘する彼女たちの姿を、並走する監督のカメラが切実に捉える。(OR)



【監督のことば】わたしはアフガニスタンで女性たちの沈黙させられた声を間近に見て育った。勇気、痛み、自由へのたゆまぬ希求を伝える彼女たちの声――『撃たれた自由の声を撮れ』をつくることでわたしが望んだのは、その声を圧制の犠牲者のものとしてではなく、暴力では消しえない抵抗を示す力強い変革の当事者のものとして映画に留めることである。

 この映画はただドキュメンタリーというだけではなく、それ自体が記憶や反抗の行為になっている。ドキュメンタリー的な語りを映像詩と混ぜ合わせることで、わたしは抑圧という苛酷な現実とアフガン女性の不屈の精神とをともに捉えることを目指した。ここではどのフレームも彼女たちのへこたれぬ強さの証しとなり、語られるどの話も、自由はつねに誰かの声から始まる――それがどれだけ脅かされていようが始まりはつねにそこにある――ことを思い出させてくれるものとなっているのである。

 映画は沈黙させられた真実がおのれと共鳴するものを見つける空間になりうるとわたしは信じている。権力をもつ人たちが打ち滅ぼそうとした声に、どうか世界が耳を傾けてくれますよう。わたしの願いは、『撃たれた自由の声を撮れ』がアフガン女性の闘争を広く届けるばかりか国境を越えた連帯を拡げもすること、それにより正義を求める彼女たちの声がわたしたち一人ひとりの共有する責任となることにある。


- ザイナブ・エンテザール

アフガニスタンの映画作家、プロデューサー、ライターで、国際映画祭で審査委員も務める。2014年に短編『Maryam』でデビューし、続く『House (Home)』(2016)はロカルノ国際映画祭で公式上映作品に選定された。『Bicycle』(2016)や『Rise and Shine』(2023)など、以後の作品も170以上の国際映画祭で上映され、多くの賞を受賞。最新長編ドキュメンタリーとなる本作は、アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭でのプレミア上映以降、多くの映画祭で上映され、複数の賞も受賞し ている。現在は亡命生活を送りつつ、アフガニスタンの女性たちの声を世界に向けて拡げ届ける映画制作や執筆活動を継続している。