サイクルマヘーシュ
CycleMaheshCycleमहेश
- インド/2024/オリヤー語、マラーティー語、ヒンディー語/カラー/DCP/61分
監督、脚本、編集:スヘル・バナルジー
脚本:グルリーン・ジャッジ
撮影:プラティーク・パメーチャ
音楽:ヴィシェーシュ・カリメロ、ラーフル・ジギャース
音響、整音:ビギャナ・ダハル
クリエイティブ・プロデューサー:グルリーン・ジャッジ
製作:ティースタ・セータルヴァード
提供:スヘル・バナルジー
コロナ禍のロックダウン中に、自転車で出稼ぎ先から家までの2000キロ近くを7日間で帰った若き労働者マヘーシュ。そのことがニュースに取り上げられ、ひとたび有名になった彼の自転車旅が映画化されることになった。フィクションとノンフィクションを行き来しながら進んでいく撮影の旅は、追いたてられて国内避難民と化した人たちの姿と重なりながら、結局出稼ぎ労働から抜け出すことができない彼の行き詰まった生活へと立ち戻る。自由闊達なイメージと不思議なユーモア感覚でインドの現実を描き出す、重層的な奇想天外ロードムービー。(NRY)
【監督のことば】コロナロックダウンの中、ほぼ無一文で、地図も持たずに自転車で2000キロを走破したマヘーシュ・ジェナのすさまじい旅についての記事を初めて読んだ時、その映画的な可能性は計り知れないと思った。この若い季節労働者はちょっとした有名人になったものの、ほどなくして遠くの建設現場で1日3ドル稼ぐという、苦しい生活に戻ってしまった。彼の勇気は、とてつもないものであったが、その名声は何ももたらさなかったのだ。
私は彼に連絡を取った。彼は旅について懐かしそうに語ってくれた。懸命に頑張った日々、彼は自分が自由であることを感じたと。彼は撮影に協力的だった。金銭ではなく、映画の魅力に惹かれたからだ。しかし、どうやって彼の素晴らしい物語を表現すればいいのか分からなかった。インタヴューでは不十分、劇映画化するのは搾取的に思えた。彼は何を期待しているのか?
迷っていた時、私はムンバイとグジャラートの間にある、パルガールという先住民が暮らす地域に行き、そこで若い先住民女性、マムター・パレッドに出会った。彼女が語ってくれたのは、よりよい生活を求めて故郷を離れる若者の夢と絶望の物語だった。こういう真実も無視することはできない。
加えて私自身の視点についても疑問に思うようになった。私はマヘーシュやマムターが味わってきたような苦悩に直面したことがない。人々がまだ知らないこと、見ないようにしてきたことを、見せることができるだろうか?
キアロスタミやマフマルバフといったイラン人映画作家に触発された私は、フィクションとノンフィクション、寓話とドキュメンタリーを融合した映画を作った。安っぽい感動や贖罪の行為を提供する映画ではない。表現形式に挑み、観客にじっくり見てもらうことを求めている。
この映画の制作は困難だった。でも映画の主人公は、日々の闘いが、神話と記憶と不屈の精神の輝きに照らされた、ごく普通のインド人たちなのだ。この映画が部分的にでも、それを反映していることを願う。
スヘル・バナルジーインド出身の映画作家。南アジアの日常生活を映し出した、ノンフィクションとフィクション、神話と現実を融合した作品を制作している。アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭(初長編監督賞を受賞)、全州国際映画祭、ニューヨーク近代美術館のニュー・ディレクターズ/ニュー・フィルムズ、ザグレブ国際ドキュメンタリー映画祭、コルカタ国際映画祭、ケーララ国際ドキュメンタリー&短編映画祭などで作品が上映された。ゴア在住で、初の小説を執筆中。
