最後の訪問
The Last VisitViimane külastus
การพบพาน...ครั้ งสุดท้าย’
- エストニア、タイ/2023/英語/カラー/DCP/16分
監督、撮影、編集:ケワリー・ワルッコーメーン
音響:ワートファン・ディロックサンバン
提供:ケワリー・ワルッコーメーン
1冊の本のページがめくられてゆく。その1ページ1ページに、チャコールで描かれてゆくイメージは、作り手の手によって、息を吹き込まれ、動き出す。時に加速しながら、チャコールは時に色彩を帯びて、叔母との思い出や彼女への思いを形どる。愛する人の姿が時のとまったものになってしまっても、私の時間は動き続ける。彼女との最後の会話を思い出し、立ち会えなかった最期の瞬間を想像してみる。あなたがここにいたなら、と。亡くなった叔母に捧げる、喪失の映像詩。(WM)
【監督のことば】2018年、私は愛する叔母を癌で亡くした。彼女は暮らしていたタイから、見知らぬ時空間へと旅立った。当時私はエストニアに帰る機中にい た。この喪失のあと、悲しみに耐え、彼女の記憶を守る手段として私はさまざまな方法を模索した。死者に再び命を与え、蘇らせることのできるアニメーションであれば、記憶の中の彼女の「存在」を再生してくれるかもしれないと考えた。「変容」そして「生き返り」という概念を探究する手段として。仮にそれが想像上の「来世」に過ぎないとしても。
「事物の存在は、いかに定義されうるのだろうか?」
死んだ叔母をアニメーションによって生き返らせようとする試みから始まった旅の中で、私はやがて、命が永遠には続かないという事実を受け入れることに なる。本作は、叔母の死からそれを受け入れるまでの5年間を記録した作品であり、エストニアとタイという対照的な地を舞台としている。このプロセスを通して、私はアニメーションを巡る存在論的な問いを考察しつつ、書物の物理性、絵画、そして作家の手による仕事の間に生まれる相互作用について探求した。書物はやがて詩的な空間となり、彼女が「移行」する状態と、私自身の「変 化」について考えることができた。
この映画のタイトルはエストニア語の「küla」に由来している。去った魂が「最後の訪問」として戻り、昇華する前に自分の足跡を集める、そんな物語を反映しようとして遊び心をもって訳したタイトルだ。
ケワリー・ワルッコーメーン独学のアニメーター、ファシリテーターとして活動。タイの独立系アニメーションを支援する「Klower°」の共同創設者で、「物語」と「語り伝え」の両側面でアニメーションの多様性を支援している。アニメーションで修士号を取得後(エストニア芸術アカデミー)、「Being-in-Between(間に立つ)」 をテーマに自身の実践における「変化する段階」を探求し続けている。国際アニメーション祭である「SiamANIMA」のディレクターとして、アニメーションツールへの扉をバンコクや旧来のプロフェッショナルの人脈の外へと開き、人々が自分自身や他者、世界とつながるための強力な方法としてのアニメーションを広めることに尽力している。
