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[台湾]

烤火房プラーハンで見るいくつかの夢

SPI
烤火房的一些夢

台湾/2025/タイヤル語、北京語/カラー/DCP/98分

- 監督、撮影、製作:サーユン・シモン
撮影:鄭智仁(チェン・ジーレン)
編集:林怡初(リン・イーチュー)
音楽:周宣宏(チョウ・シュエンホン)
整音:黃年永(ホアン・ニエンヨン)
製作:黃惠偵(ホアン・ホイチェン)
製作会社:小米影像工作室
提供:サーユン・シモン

台湾の先住民タイヤル族の村に生まれた監督が、少数民族の映画作家として家族を見つめながら自身のルーツを探求する。亡きおじいちゃんと夢を通して対話をするかのように大切に話される慣れないタイヤル語も、おばあちゃんや親族たちが集まる烤火房(暖炉の部屋)での語らいも、16歳のいとこの妊娠と結婚が巻き起こす騒動も。監督が記録するすべては、おじいちゃんへの悼み、タイヤル族への思いへと繫がっていく。深められていく共同体の歴史に対する理解は、同時に、年長者と若い世代とが心を通わせることで継承される、文化のこれからでもある。(NRY)



【監督のことば】このドキュメンタリーの制作に10年を費やしたが、それはそれは個人的で困難な旅であった。タイヤル族の伝統的な価値観の体系である「ガガ」を探求しながら自分の家族を撮影することは、私にとって大きな挑戦だった。祖父は私が彼から真に学ぶ前に他界したので、私は家族や年長者から聞き取りをすることで、これまで語られてこなかったことを明らかにしようと努力した。

 目には見えないながらも力強い「ガガ」は、私たちの人生を形作り続けている。この映画を完成させることができるのか何度も不安に陥ったものだが、時間が経つにつれて、私はこの映画とともに成長していった。本作は単なる映画ではなく、タイヤル族のアイデンティティと私が再びつながり、忘れ去られていたものを称える私なりの方法をもたらしてくれた。

 映画が完成した今、私は最後までやり遂げられたことに感謝している。私の家族が言葉を発し、私たちの物語がついに世界と出会う空間がひらけたのである。


- サーユン・シモン

台湾にあるタイヤル族の村、環山部落出身の映画監督。先住民テレビの記者としてキャリアを積んだのち、台湾公共テレビの国際部に移り、ドキュメンタリー制作コーディネーターとして勤務。2011年に故郷に戻り、自らのコミュニティに根ざした物語づくりを進めている。先住民の物語への関わりをさらに展開させ、次世代の映画制作者の育成、映画を通した文化的な物語制作の支援を目的として、2022年8月には台湾初の原住民映画アカデミーを設立するに至る。過去作に『テラキスの帰郷』(2013、YIDFF 2015)などがある。