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審査員
井口奈己


●審査員のことば

 自分としては意外なオファーだったのですが、そのオファーの理由が、以前参加したアジアの映画学校の学生対象のワークショップが縁ということだったので、山形国際ドキュメンタリー映画祭に初めて参加してみることにしました。

 当時アジアの映画学生たちとの出会いがとても新鮮な驚きで、現実的には言葉が通じなくても 「映画って何だろう?」という疑問に対して、同じ言語で話し合うことができるのかも? と思える出来事だったし、マレーシア人の女の子が「きっと好きですよ」とヤスミン・アフマド監督『タレンタイム』(2009)を紹介してくれて、見てみたら最高だったので、映画に対して同じ言語で話してるか も? という考えは密かな確信になりました。

 小川紳介監督が提唱しアジアの若い作家たちを発掘、応援するアジア千波万波の審査員として参加することで出会うことになる映画、違う文化圏の映画、「映画って何だろう?」という共通の疑問に対するいろいろなアプローチを発見できるかと思うと、ワクワクが止まりません。


井口奈己

映画監督。1967年、東京生まれ。はじめての自主映画で完成までに4年を要した『犬猫(8mm版)』がPFFアワード2001で企画賞を受賞。 2004年にセルフリメイクした『犬猫(35mm版)』で商業映画監督としてデビューを果たし、第22回トリノ国際映画祭で審査員特別賞、国際批評家連盟賞、最優秀脚本賞を受賞。他監督作品に、『人のセックスを笑うな』(2008)、『ニシノユキヒコの恋と冒険』(2014)、『こどもが映画をつくるとき』(2021)などがある。



左手に気をつけろ

Keep Your Left Hand Down

日本/2023/日本語/カラー/DCP/43分

監督、脚本、編集:井口奈己
撮影、仕上げ:鈴木昭彦
音楽:Yuke Myras、大滝充
出演:名古屋愛、北口美愛、松本桂
エグゼクティブ・プロデューサー:金井久美子、金井美恵子
プロデューサー:大滝薫子、大滝雅之、増原譲子
制作プロダクション:合同会社ナミノリプロ
製作、配給:一般社団法人文化振興ネットワーク

20XX年。世界では左利きを媒介するウィルスが蔓延し、こども警察による厳しい取り締まりが行われていた。行方不明になった姉を探す神戸りんは、その足取りを追うなかで“運命の人”と出会い「世界を変えていく」と意気込んでいくのだが……。



だれかが歌ってる

Someone to Sing Over Me

日本/2019/日本語/カラー/DCP/30分

監督、脚本、編集:井口奈己
撮影、仕上げ:鈴木昭彦
音楽:細海魚 
絵:山口一郎
出演:森岡未帆、川井優作、秋谷悠太、北口美愛、細海魚、新居昭乃、山口一郎
配給:合同会社ナミノリプロ

いつもの街角、どこからともなく聴こえるメロディ。何気ない日常のなかで重なる「偶然」が人の想いを繫いでいく。