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[フランス、オランダ、カタール、アフガニスタン]

ハワの手習い

Writing Hawa

フランス、オランダ、カタール、アフガニスタン/2024/ダーリ語/カラー/DCP/85分

- 監督、脚本、撮影、ナレーション:ナジーバ・ヌーリ
共同監督、撮影:ラスール(アリー)・ヌーリ
脚本、編集:アフサネ・サラリ
製作:クリスティアン・ポップ
共同製作:ハッセ・ファン・ヌネン、レンコ・ドゥーゼ
出演:ハワ・ヌーリ、ザハラー・ハイダリ、ファティマ・ヌーリ、ムーサ・ヌーリ、ラスール(アリー)・ヌーリ、マフディー・ヌーリ、ザへル・ヌーリ、モハッマド・アリ・ハリギ、メーラン・ハリギ、キアン・ハリギ
配給:First Hand Films

13歳で結婚を強いられ、豊かな時間を奪われたハワ。娘には学ぶこと、愛すること、選択ができる人生を歩ませた。40年が過ぎ、成長した娘が、母の自立への物語を記録し寄り添う。ハワは読み書きを覚え、ハザーラ人の手刺繍を集め小さなお店を始める。行動は外へと広がる。父の暴力から孫娘を救い出した時……タリバンが政権を奪取し、伝統を装った暴力によって、再び意思は閉ざされる。娘はフランスへ逃れ離ればなれに……。ハワは届いた手紙をゆっくりと読む。知識は奪われることはなく、本来皆、自由な存在である。こ の物語は終わってはいない。(NKY)



【監督のことば】戦争や暴力、教育機会の欠如や強制婚は何十年にもわたり無数のアフガン女性たちを苦しめ、悲惨な目に遭わせてきた。

 わたしの母も夢を奪われ、家事や子育てに長い年月を費やしたが、それでも母は学ぶことや新たな経験に挑むことへの意欲や好奇心を決して失いはしなかった。真実の愛で結ばれた恋に思い焦がれ、彼女が泣いたことは何度もある。ハワという名のこの女性はしかし、生み育てた子どもたちとの無条件の愛に加え、教育を受け能力を活かし自由を得るための息子たちからの惜しみないサポートには恵まれている――。

 これはわたし自身も人生の大半を過ごしたアフガニスタンにいる、わたしの母と家族の物語である。抑圧された女性たちやハザーラ人のために自立や自由を求めて奮闘する物語であり、移住を強いられ自分たちの故郷や祖国や文化や家族と離ればなれにされるという苦境にある人たちの物語でもある。

 家族という窓から見えてくるのは、アフガニスタンの歴史が変わる転換点だ。カブール陥落とタリバン政権復権は、岐路に立って新たな人生を始めようとしているザハラーとハワとわたし自身、その家族三世代の夢をすべて瓦解させてしまう出来事なのだ。

 わたしの映画はまた、タリバン政権下のハザーラ人家族の暮らしという希少な知見が得られるものでもある。ハワというたくましい女性を見る観客は、その向上心あふれる姿勢と奮闘を目で追いつつ、その姿を自分と結びつけ、そこに自身の姿を重ね合わせることになる。その希望と悲しみ、多くの挫折と数少ない成功は、観る者に真に感動的な旅をもたらすことだろう。

 本作が描くのはタリバン政権復権以前と以後のアフガニスタン、この国が女性たちを社会から消し去るテロリスト集団の手に落ちるそのときのことであり、そしてまた世界がそこで起きている事態を見て見ぬふりをするその様子である。

 わたしはこの映画により、人びとのなかに気づきが、感化が、変革が生まれてほしいと思っている。


ナジーバ・ヌーリ

1995年、アフガニスタン バーミヤン生まれ。15歳から報道機関でボランティアを行う。カブールで写真・映画制作のワークショップに参加。その作品はAFP、ハフィントン・ポスト、国境なき医師団、母子のための仏医療機関(FMIC)、ノルウェー難民評議会、国連女性機関のアフガン事務所などで紹介されている。2020−2021年の「クロース・アップ」プログラムや2022年のオランダのIDFA Academyに参加。2019年からAFPでビデオジャーナリストとして活動している。2021年、タリバンの復権を受けアフガンを離れ、現在はフランス在住。本作が初のドキュメンタリー作品。

ラスール(アリー)・ヌーリ

1994年、バーミヤン生まれ。カブールでジャーナリズムを学ぶ。ノルウェー難民評議会、ドイツ国際協力公社、母子のための仏医療機関のために短編作品を制作している。米独立プロダクション「ハングリー・マン」がバーミヤンで制作した『Hoof』(2008)で撮影を担当。